第19回てんかんを持つ女性の妊娠、出産への備え

第19回
てんかんを持つ女性の妊娠、出産への備え

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2023.8.2
てんかんを持つ女性の妊娠、出産への備え

 妊娠、出産は女性にとって大きなライフイベントです。
 女性でてんかんを持つ方の場合は、妊娠出産に備えて抗てんかん薬の調整などの準備をしておくことが大切ですが、今回はその準備のひとつ「葉酸の補充」についてお伝えします。

 いくつかの抗てんかん薬には葉酸を低下させるものがあります。そのため、妊娠する可能性のある方、妊娠・出産を希望される方は、普段から葉酸を補充して摂取することが推奨されています。葉酸はほうれん草やブロッコリー、レバーなどに含まれるビタミンの一種です。妊娠中は非妊娠時の1.8倍の葉酸が必要とされていて、葉酸が不足すると神経管閉鎖障害など生まれてくる赤ちゃんの先天性異常のリスクにつながるとされます。

 食事だけでは必要な量を接種するのが難しいので、葉酸の補充には市販のサプリメント(葉酸サプリなど)をご利用ください。1日に400~600㎍(マイクログラム)の摂取が推奨されていて、多くの葉酸サプリは、おおむねその量が補充されるように作られています。※赤ちゃんの神経管閉鎖障害は、妊娠3~5週の器官形成期の問題で生じます。まだ妊娠に気づきにくい時期ですので、妊娠前から葉酸を補充しておくことが大切です。

 早めの準備で妊娠生活を安心して過ごせるよう心掛けましょう。

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