てんかんセンターニュース15

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2022.6.29
脳神経外科より新たなてんかん外科療法「ラジオ波てんかん焦点温熱凝固術」の報告をしました。

NCNPてんかんセンター・脳神経外科の高山裕太郎医師(現・横浜市立大学附属病院脳神経外科)が、島弁蓋部てんかんに対する新たな治療法であるラジオ波てんかん焦点温熱凝固術(RFTC)を、脳神経外科手術の国際的学術誌Operative Neurosurgeryに報告しました。

RFTCは、脳を切除せずに専用の針(プローべ)を病変に向けて正確に刺入し熱凝固することで治療します。そのため従来の開頭手術(てんかん焦点切除術)に比べて、患者さんの負担が大きく軽減すると期待されます。この報告では、定位的頭蓋内脳波記録(SEEG)で診断されたてんかん焦点を標的に治療を行い、患者さんの発作が消失しました。RFTCによって島回のような複雑な形をした病変に対しても柔軟に治療できることが分かりました。RFTCは、今まで開頭手術が難しいとされてきた島弁蓋部てんかんに対する有効な治療として期待されます。

図:1回の熱凝固が5mm径の病変を形成すると想定し(緑の丸)、それを組み合わせて治療を計画

高山医師よりコメント:

当院でのラジオ波てんかん焦点温熱凝固術の治療経験を発表させて頂きました。この新しい治療法が難治てんかんでお困りの患者さんに少しでもお役に立てば幸いです