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精神科コース

プログラムの目的と特徴

 精神科専門医となるための3年間のプログラムである。研修期間は原則3年であるが2年間の研修も可能である。

目的

  • (1)精神医学および精神科医療の進歩を取り入れ高い技能と広範な知識に基づいて、家族や関係者と協力しながら、患者を全人的に理解し、正確に病態を評価し、適切な診断と治療を行うことのできる精神科専門医を養成すること。
  • (2)精神保健指定医の資格を取得すること。精神保健福祉法の知識と実際の運用を学ぶとともに、資格取得申請に必要な症例を経験すること。
  • (3)公益社団法人日本精神神経学会(以下、精神神経学会と略)専門医制度に準拠した研修を実施し、希望の者には3年間の研修により精神科専門医の資格取得を可能にすること。
  • ※精神神経学会専門医制度に準拠した研修を希望の者は、以下のとおり対応のこと。 当院精神科は日本専門医機構に基幹施設としての「研修プログラム」を提出し日本専門医機構による審査を受けているところである。ついては、当科の「研修プログラム」が日本専門医機構に認定された際には、日本専門医機構及び精神神経学会より当院が基幹施設となる「研修プログラム」が掲載されることとなるので、この「研修プログラム」を参照し、専攻医登録サイトから応募すること。

特徴

 精神医学および精神科医療における個別専門領域について、以下に挙げるような研修環境を提供することにある。

  • (1) 精神科医療の基本を修得:
    統合失調症および気分障害をはじめとする精神病水準の重度障害に対する急性期の危機介入から社会復帰まで、医療と福祉の基本と実際を修得する。
  • (2) 高度な専門治療の修得:
    専門外来(てんかんセンター、気分障害、統合失調症、認知症・器質性精神障害、睡眠障害)、およびこれに連携する専門病棟・入院ユニット(てんかん、うつ・ストレス関連、統合失調症) で研修を行い、臨床経験を積むと共に、臨床研究に参加する。
  • (3) 精神科リハビリテーション/デイケアの経験:
    精神科デイケアで、SST(social skill training)、疾病教育、認知リハビリテーション、および就労支援などの臨床経験を積む。
  • (4) 地域精神科モデル医療センターとの連携:
    精神科急性期医療、精神科リハビリテーション、および多職種アウトリーチチーム(Community Mental Health Team)を統括した地域精神科モデル医療センターと連携して、地域生活中心の精神科医療の経験を積む。
  • (5) 認知行動療法の修得:
    認知行動療法の修得を希望する者は、研修プログラムに参加し、うつ病、不安障害等についての認知行動療法を実施できるようにすること。
  • (6) 医療観察法病棟での研修:
    医療観察法による入院及び通院場面において、他害行為の既往を持つ精神障害者の多職種チーム医療を経験する。また、希望者は刑事責任能力鑑定や医療観察法鑑定を助手として経験し、精神鑑定に関する基礎的技能を習得する。
  • (7) 認知症など脳器質性精神障害の神経病理学的診断の経験:
    認知症など脳器質性精神障害について、脳画像診断の基盤である脳の肉眼および組織病理学を含む病態を学ぶ。
  • (8) 放射線診療部・脳病態統合イメージングセンターとの連携:
    わが国で最高水準の脳画像診断を行っている放射線診療部および脳病態統合イメージングセンター(IBIC)において、CT・MRI・ SPECT・PETなどの画像診断を学ぶ。
  • (9) 臨床検査部との連携:
    神経病理部門は、生前同意システムに基づくブレインバンクを運営している。精神疾患の剖検例のCPCなどをとおして、精神疾患の神経病理学的背景についても学ぶ。
    睡眠障害センターと連携し、睡眠障害の検査・診断・治療について最新の知識を学ぶ。
    NIRS、EEGおよびMEG検査所見判読を学ぶ。
  • (10) 脳神経内科・小児神経科・脳外科との連携:
    高度専門的医療を行っている当院脳神経内科・小児神経科・脳外科と連携し、てんかんや神経変性疾患(パーキンソン病)などに併存する精神障害のコンサルテーションの経験を積む。
  • (11) 精神保健研究所・神経研究所との連携: 
    キャンパスの精神保健研究所と神経研究所の研究会などに参加する。特に興味を持つ領域については、当該領域を研究している研究所スタッフの指導を受ける。
  • (12) 臨床研究の基礎的技法の修得:
    トランスレーショナル・メディカルセンターが企画する臨床研究の基礎講座に参加し、研修を受ける。センター内で実施されている臨床研究に、研究協力者として参加する。

研修内容と到達目標

必須項目

  • (1) 指導医の指導のもとで、精神障害を有する入院患者および外来患者の主治医として、多職種スタッフと連携し、患者家族・関係者と協力しながら、治療を行い、社会復帰を支援する。
  • (2) 以下の症例を担当して、指定医の資格取得のためのケースレポートを作成する。
    a. 統合失調症の措置入院少なくとも1例、医療保護入院少なくとも2例
    b. 躁うつ病圏、中毒性精神障害、児童・思春期精神障害、症状性又は器質性精神障害、老年期認知症の措置又は医療保護入院、各々少なくとも1例
  • (3) 精神障害に合併する神経学的異常や神経疾患に合併した精神障害など精神・神経の複合障害に対するコンサルテーション・リエゾンを指導医のもとで経験すること。
  • (4) 指定医の指導のもとに精神科副当直として当直診療業務を担当すること。
  • (5) 指導医とともに研修医の指導にあたること。

努力項目

  • (1) 措置鑑定の見学、ならびに簡易鑑定、本鑑定及び医療観察法による鑑定に鑑定助手として参加し、鑑定医の鑑定書作成に参加する。
  • (2) 指導医の指導のもとに成年後見制度の診断および鑑定を担当する。
  • (3) 睡眠障害の診断・検査・治療について症例を通じて学ぶ。
  • (4) 院内の研究会などに症例や研究を発表し、それをもとに院外の学会等で報告し、論文・症例報告として学会誌等に投稿する。
  • (5) 精神・神経疾患研究開発費あるいは厚生労働科学研究等の臨床研究に研究協力者として参加し、あわせて国内外の研究会議に参加する。
  • (6) 臨床試験(治験を含む)に分担医師、協力医師として参加し、臨床試験の実際と新薬等の新しい治療法の開発・承認に関わる知識と経験を広める。
  • (7) 認知行動療法研修プログラムを受講し、スーパーバイズを受け実際の患者を治療すること。
  • (8) 児童・思春期精神医学などの専門的研修を希望する場合は、当センターと連携する医療機関で一定の期間研修を受けることも可能である。
  • (9) 期間中、少なくとも1例の剖検またはブレイン・カッティングに立ち会う。

教育行事

  • (1) 初期クルズス:初期クルズスは研修開始期の約2ヶ月間に、精神科医療に必要な基本的事項について、精神神経学会専門医制度研修ガイドライン(総論)に沿い、専門医制度指導医が講義を行う。
  • (2) 中期クルズスは、精神神経学会専門医制度研修ガイドライン(疾患別)に沿い、連続して行われる。
  • (3) ケースカンファレンス
  • (4) 脳波判読会(てんかん以外)
  • (5) レジデント抄読会
  • (6) 精神科セミナー、その他の医局研究会
  • (7) 臨床病理検討会(clinico-pathological conference, CPC)と病理解剖
  • (8) 認知行動療法研修会

カリキュラムの評価方法(目標達成度)

レジデントが精神神経学会専門医制度研修ガイドラインに記載することにより、自己評価を行う。指導医は自己評価結果を随時点検し、レジデントの到達目標達成を援助する。

指導医リスト

精神保健指定医、精神神経学会精神科専門医・指導医はほぼ全員がもっているため、これ以外の専門医資格等と関連学会の役員等を記載する。

氏名 役職 経歴
岡﨑 光俊 第一精神診療部長 東京医科歯科大医 平成5年卒、医学博士
精神保健判定医 日本てんかん学会評議員・専門医・指導医
日本臨床神経生理学会評議員・脳波専門医
平林 直次 第二精神診療部長
精神リハビリテーション部長
東京医科大医 昭和61年卒、医学博士
日本総合病院精神医学会専門医・指導医
日本司法精神医学会評議員
吉田 寿美子 臨床検査部長
精神科外来医長
山形大医 昭和62年卒、医学博士
坂田 増弘 精神科医長
デイケア医長
東京大医 平成5年卒
吉村 直記 精神科医長 島根医大医 平成9年卒
医学博士
野田 隆政 精神科医長 山梨医科大医 平成13年卒
藤井 猛 精神科医長 京都府立医科大学医
平成11年卒 医学博士
大町 佳永 精神科医長 東京女子医科大医
平成17年卒 医学博士
日本認知症学会 専門医・指導医
田口 寿子 医療観察科医長 東京大医 昭和59年卒 医学博士
精神保健判定医
日本社会精神医学会 評議員
日本司法精神医学会 評議員
法と精神医療学会 理事
日本周産期メンタルヘルス学会 理事
大森 まゆ 医療観察科医長 長崎大医 平成9年卒
精神保健判定医

ほか医員10名

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