総合実験動物棟に関するQ&A

  1. TOP
  2. 神経研究所
  3. 神経研究所について
  4. 総合実験動物棟に関するQ&A

実験に関する質問

筋ジストロフィーには、現在のところ根治的な治療法がありません。この施設では、ヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィーによく似た症状を示す筋ジストロフィー犬を用いて、筋ジストロフィーの病態解明に関する研究や治療方法の開発のための研究を行っています。


本施設では、動物実験倫理を高い水準で維持するため、ここで実施されるすべての実験の倫理面を厳しく規制しています。関連法規*に従い、すべての研究計画の妥当性について、動物実験倫理問題検討委員会で審議されています。


関連法規*:「動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号及び平成11年法律第221号)」及び「実験動物の飼養及び保管等に関する基準(昭和55年3月27日総理府告示第6号)」


施設では、動物実験倫理に関し高い意識を持っている研究者が、安全に実験を行うことが求められます。本施設では利用にあたって、施設利用及び動物実験倫理に関する教育の受講が義務づけられています。


P2のPは物理的封じ込めを意味し、P1からP4までありますが、P4が最も高い封じ込めレベルの要求されます。本施設には、低い方から2番目のP2エリアがあります。P2では、実験者に対しては中等度の危険度、地域社会に対しては軽微な危険性を有するレベルの病原体などを外部に漏らさないための封じ込め性能を持った施設と規定されています。本施設の封じ込めエリアでは、P2レベルのウイルスベクター*を用いる筋ジストロフィーの遺伝子治療実験を行っているもので、感染性の強い病原体を用いる感染実験は行っていません。封じ込め施設では、「組換えDNA実験指針(平成8年科学技術庁)」に従って、安全に実験を行っています。


ウイルスベクター*:遺伝子治療では、ウイルスベクターを用いて、発現させたい遺伝子を目的とする細胞へ導入させます。


封じ込めエリアでは、施設内で取り扱うP2対象のウイルスベクターが外部に漏れないように細心の注意を払っています。
病原体を除去するために、空調の排気はHEPAフィルターでろ過し、実験排水は薬剤で消毒滅菌し、排気や排水が施設外へ出ることがないような設備を整えています。封じ込め施設内で使用された動物の死体や器具などは、高圧蒸気滅菌(121℃、20分以上)しています。研究者や飼育管理者は、施設内では専用の着衣・マスク・帽子・手袋・長靴を着用し、施設外へ出るときはこれらの専用着衣を全て着替えています。


この施設で使用するウイルスベクターは非増殖性であるため、ウイルスの増殖が起らず、ヒトでの発症の危険性はありません。


封じ込め施設内に、さらに封じ込めのための安全キャビネットを設置して、その中でウイルスベクターを操作しているので、外部への汚染の危険性はありません。例え、破損・火災等の緊急事態があって外部へ漏れたとしても、この施設で使用するウイルスベクターは非増殖性であるため、ウイルスベクターの汚染が広がる危険性はありません。

動物に関する質問

イヌです。主に筋ジストロフィーを遺伝的に発症する筋ジストロフィー犬を使用します。この動物は、ヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィーの優れたモデルとして評価されているものです。


マウスの筋ジストロフィーモデルでは、小型であるがためにサンプルの採取量などに限界があります。また、同じ遺伝子異常を持ちながら、ヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィーと比べて、マウスのモデルの臨床症状は極めて軽症で治療対象になりません。これに対し、イヌのモデルでは、ヒトの臨床症状によく似た所見が認められます。このような理由から、筋ジストロフィー犬は、遺伝子治療実験のための優れたモデル動物として期待されています。


関連法規*に従って、適切に飼育しています。この施設の飼育環境は、清浄度も高く、衛生管理にも細心の注意が払われています。また、最新の獣医医療設備も完備し、重篤な臨床症状を呈する筋ジストロフィー犬に対しても、適切な医療を施し、動物倫理に配慮しています。


関連法規*:「動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号及び平成11年法律第221号)」及び「実験動物の飼養及び保管等に関する基準(昭和55年3月27日総理府告示第6号)」


「動物の処分方法に関する指針(平成7年7月4日総理府告示第40号)」に基づき、生命の尊厳性を尊重し動物に苦痛を与えない方法で安楽死させています。


許認可を受けた信頼できる外部業者に処分を委託しています。


高圧蒸気滅菌してから、許認可を受けた信頼できる外部業者に処分を委託しています。


法的に問題のない信頼できる業者あるいは共同研究を行っている施設から導入しています。導入にあたっては、その由来を確認しています。雑犬は使用しません。


獣医学あるいは実験動物学の教育を受けた、イヌ飼育管理の専門家が担当しています。