ペアレントトレーニング実施者養成研修

注意欠如・多動症のペアレントトレーニングの有効性の検証と社会実装

 注意欠如・多動症のペアレント・トレーニング(親を対象にした心理教育と行動療法を主体としたトレーニングBehavioral parent training: BPT)は、患児が社会的に望ましい行動を取った時に親が注目して褒める、望ましくない行動を取った場合には注目をしないといった行動療法理論を親に系統的に講義し、家庭で児の行動に介入し、マネージメントする方法をトレーニングするものです。児童の問題行動、親の育児ストレスを改善させるとして、欧米ならびに本邦の治療ガイドラインで推奨されています。しかし、本邦において未だペアレントトレーニングの普及はされておりません。 現在、当部では、本邦におけるペアレントトレーニングの有効性を介入効果、神経生物学的影響の両面から明確にするとともに、その社会実装を目指す研究を推し進めています。 現在以下のように、ペアレントトレーニングの有効性の検証のためにランダム化比較試験の参加者を募集中です。 また、実装に向けてペアレントトレーニング実施者養成研修も行っております。


「注意欠如・多動症(ADHD)児に対するペアレントトレーニング研究(ランダム化比較試験・MRI研究)」の参加者募集

現在、東京大学医学部附属病院こころの発達診療部とともに、ペアレントトレーニングの効果検証の研究を行っております。本ペアレントトレー二ング研究では、ADHDと診断された子どもの理解を深め、適切な褒め方、指示の出し方を、講義やロールプレイを通し、全10回のオンライングループセッションにて学びます。また、小集団で実施することで、同じ悩みをもつ親たちと相互の分かち合い・支え合いの機会になることも期待しています。ペアレントトレーニングの効果検証研究として実施しておりますので、参加をご希望の方は、研究概要ADHD児に対する「ペアレントトレーニング研究」(ランダム化比較試験)を必ずご確認の上、お申込みください。


医療機関における注意欠如・多動症(ADHD)児の親へのペアレント・トレーニング実施者養成研修

本研修を受講することにより、医療機関のスタッフがペアレント・トレーニング施行の際の基本的な素養を身につけられるようカリキュラムが構成されています。ペアレント・トレーニングについての講義を受け、ワークやロールプレイを実際に体験します。

対象者:注意欠如・多動症と診断される児童の診療に関わる医療機関の専門家(医師・公認心理士等の臨床心理技術者・看護師・精神保健福祉士・作業療法士・言語聴覚士)

全ての研修時間出席可能な方

課程内容(予定):
 (1) ペアレント・トレーニング/注意欠如・多動症とペアレント・トレーニングについて(講義)
 (2) 注意欠如・多動症について(講義)
 (3) 導入/プログラムの進め方(講義とワーク)
 (4) 行動を3種類に分ける(講義とワーク)
 (5) してほしい行動に注目する/ほめることを習慣にする(講義とロールプレイ)
 (6) してほしくない行動への注目を取り去る(講義とロールプレイ)
 (7) 指示の出し方(講義とロールプレイ)
 (8) ほめほめ表(講義とワーク)
 (9) ルールを提示する(講義とロールプレイ)
 (10) 環境調整/学校との連携(講義とディスカッション)
 (11) ペアレント・トレーニング実践に向けて(講義)
 (12) 慢性疾患のペアレント・トレーニング(講義)
 (13)質疑応答
 

申し込みは、精神保健研究所ホームページ「精神保健に関する技術研修」からお申し込みください。 https://www.ncnp.go.jp/info/2022/seiken-kensyu_R4.html


国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 知的・発達障害研究部

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