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第69回 若手育成カンファレンス報告書

 第69回の若手育成カンファレンスは病院第一精神診療部で医師として活躍されている稲川拓磨さんに『認知症及び軽度認知障害の認知機能に対する経頭蓋直流電気刺激 ~予備研究から特定臨床研究の開始まで~』という題で発表をしていただきました。認知症は現在のところ根治療法が存在せず、その治療法開発は社会的な課題になっています。微弱な電流を流すことで脳の神経活動を修飾する経頭蓋直流電気刺激 (tDCS)は侵襲性が低く、これまで健常高齢者における認知機能への効果が報告されており、認知症や軽度認知障害への応用も期待されています。これまで、稲川さんらのグループは、tDCSを認知機能トレーニングに並行して行うパイロット研究を行い、その結果から、実刺激群においてADAS-Cog (Alzheimer’s disease Assessment Scale- Cognition)にて、偽刺激群と比較し1.61点の改善傾向を認めたことから、これを主要評価項目とし、症例数を各群46名とし、現在本試験を開始しています。この研究は、未承認の医療機器を用いるため、臨床研究法 (平成30年4月1日施行)における特定臨床研究に該当します。そのため、研究計画の提出、モニタリング、監査、実施体制の確認など、以前に増して厳密な管理体制と、データ品質の担保が求められることにもなります。
 口演では、パイロット研究に結果呈示に留まらず、特定臨床研究の開始までの手続きなどを説明して頂きました。発表の後には、プライマリーエンドポイントとしたADAS-Cogの効果量について、その臨床的意義や、群の割り付け方法についての質問が出たほか、臨床研究法施行直後の申請ということもあり、実際の手続きで苦労した点などについて具体的な質問が多く出されました。現在、第一症例が登録されたとのことで、今後の研究成果が期待されます。

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