2011年5月 更新

免疫研究部・部長



山村 隆 Takashi Yamamura, MD, PhD

《 ご挨拶 》

本研究部は多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)に代表される免疫性神経疾患の病態研究と
治療法開発を柱に、それに関連する免疫学や神経科学の重要課題について基盤研究を進めております。
特に自己免疫疾患の動物モデル実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)とMSの免疫細胞を材料とした
研究は活発で、これまでにNK/NKT細胞による自己免疫病態調節機構の解明、糖脂質リガンドによる
自己免疫病の治療法開発などのプロジェクトで成果をあげています。(Nature 413:531, 2001;
J.Clin. Invest. 107: R23, 2001) 平成14年度より、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構
「保健医療分野における基礎研究推進事業」(研究課題名:自己免疫疾患に対するNKT細胞糖脂質
リガンド療法の開発と実用化)より、研究費の援助を受けて、新たな体制を組織しました。
現在、神経内科、基礎免疫学、生化学、細胞生物学、臨床免疫学にまたがるプロジェクト研究を
進めています。我々は、MSのような難病を克服するには、神経科学、免疫学、内分泌学の境界領域の
研究を発展させなければならないと考えています。
共同研究の提案やプロジェクト参加希望などについては、ぜひ山村までご連絡ください。

《 経 歴 》

1980年 京都大学医学部卒業。同年京都大学医学部付属病院老年科・神経内科研修医。
1981年より財団法人住友病院神経内科医員。1984年より国立武蔵療養所神経センター(現国立精神・
    神経医療研究センター(NCNP))で、田平武部長よりEAE、神経免疫学研究の手ほどきを受ける。
1987年より1989年まで、西ドイツMax-Planck研究所留学(Hartmut Wekerle教授)。
1989年より1990年までHarvard大学留学(Marjorie Lees教授)。
1990年より国立精神・神経センター疾病研究第六部第一研究室長として、多発性硬化症における
    PLP特異的T細胞などの研究を進める。
    その間、1995年にはイスラエルWeizmann研究所(Irun R.Cohen教授)に半年間出張。
1999年より免疫研究部長に就任。多発性硬化症の病態と治療法開発に関する研究を進め、
    糖脂質医薬OCHの開発、核内転写因子を標的とする治療薬開発、多発性硬化症の発症と
    環境要因の関連などについて、数々の国際的な業績を挙げている。

2007年FOCiS(米国臨床免疫学会)では副会長(Co-Chair)、
2010年第22回日本神経免疫学会では会長を務めた。
現在、国際神経免疫学会理事、日本神経免疫学会理事、日本臨床免疫学会理事などの役職にある他、
厚生科学研究や文部科学研究費Sの主任研究者なども務める。
NCNP病院では多発性硬化症の専門外来で診療も行い、2010年4月より専門疾病センター
「多発性硬化症センター」のセンター長も務める。

《 抱 負 》

神経学と免疫学にまたがるような研究テーマが、過去10年で顕著に増加しています。これまでの
縦割りの学問区分とは決別して、神経、免疫、内分泌を生体統御システムという立場から眺める
ことが重要です。当研究部では、免疫学とともに生体統御システムの基礎研究を進めることによって、
神経難病や免疫病の医療の向上に貢献したいと考えています。

お問い合わせ:yamamura(@)ncnp.go.jp




National Institute of Neuroscience, NCNP

4-1-1 Ogawahigashi, Kodaira, Tokyo 187-8502, Japan

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