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第21回 若手育成カンファレンス報告書

 2012年9月7日、第21回若手育成カンファレンスとして、若手研究グループの岩田恭介さん、精神保健研究所の元村祐貴さんの2名より発表が行われました。

「Duchenne型筋ジストロフィーの立位訓練における主観的疼痛評価の有用性」
岩田恭介(病院 リハビリテーション)

Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)患者の多くに側彎(脊柱が横方向に湾曲する症状)の進行がみられ、呼吸器の圧迫など様々な悪影響を引き起こします。側彎の進行予防には立位訓練と呼ばれるリハビリ療法が有効ですが、DMDの進行により疼痛を伴うことから、病状の進行した患者さんでは中止を余儀なくされます。しかし、これまで立位訓練の継続・中止を判断する基準は存在しませんでした。
岩田さんらは、DMD患者に対する立位訓練時の疼痛に注目し、「痛みの強度」と「立位訓練の実施可能性」間の相関性を評価することで、立位訓練の実施(中止)判断基準を検討しました。研究の結果、主観的な痛みの強度と立位訓練の実施可能性には強い相関が認められ、立位訓練の継続・中止を判断する上での基準となるcut-off値を導きました。また、立位訓練時の痛みの強度は足関節の背屈角度(つま先を上に上げた際の足首の角度)と有意な相関が認められたことも併せて報告を行いました。

「睡眠負債は扁桃体-前帯状皮質間の機能的結合の減弱を介して、ネガティブな情動反応を惹起する」
元村祐貴(精神保健研究所 精神生理研究部)

睡眠が不足すると眠気や精神運動機能の低下に加えて、不安や混乱などの情動的な不安定性が増大することが知られています。睡眠の不足はわずかなものであっても日々蓄積され、こうした状態を睡眠負債と呼びます。
元村さんらは健常成人14名を対象に睡眠負債状態での脳の活動状態を調査したところ、不安、眠気の増加が認められ、扁桃体における活動の増強が認められた反面、その扁桃体と機能的、解剖学的なつながりをもち、情動の制御を担っているとされている前帯状皮質と扁桃体との間の機能的結合性が低下していることが明らかとなりました。また、この機能的結合性の低下は扁桃体の活動亢進及び主観的な気分の悪化と有意に相関しており、このような情動制御の機能的変化が睡眠負債時の情動的な不安定性の神経基盤の一部を構成しているのではないかとの見解を示しました。

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