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第49回 若手育成カンファレンス報告書

薬剤部 原 恵子

 今回は薬剤部の原 恵子さんに「ベンゾジアゼピン系薬剤の使い方に関する研究」について発表していただきました。精神科を担当している薬剤師の立場から、日々患者さんやスタッフと薬物療法について話をしている中で、睡眠薬に関連した話題は多く、適正使用ができていない事例が多いと感じていたそうです。そこで、睡眠薬の適正使用推進に寄与する臨床研究に取り組むことになりました。

 具体的には、多種類のベンゾジアゼピン系薬剤を長期間服用している精神科外来通院中の患者を対象に冊子を用いた教育的な介入を行ない、その後のベンゾジアゼピン系薬剤の処方の変化について検討しました。介入方法として、カナダで行われた先行研究(Cara et al. JAMA 2014)で使用された冊子(ベンゾジアゼピン系薬剤の種類、作用、副作用、服薬以外の対処方法、症例、減量方法などが記載)の改編版を使用し、薬剤師による1時間程度の個別面談を行いました。主要評価項目は、介入24週後におけるベンゾジアゼピン系薬剤の薬剤数及び用量としました。研究参加者は、統合失調症患者14名を含む23名(発表時点)で、服用量はジアゼパム換算14.6 mgでした。

 現在、全ケースの介入が終了しています。今後、関連する学会や論文における発信をめざしています。当日の発表に対し、フロアから「対象患者の主治医の反応」、「日本語訳の際の留意点」などについての質問が活発に投げかけられました。最後に原さんから、「一番難しいのはつづけること」「かけがいない仲間に感謝」「薬剤部にも研究しやすい土壌をつくりたい」という感想が述べられました。

看護部 樋口 愛

 今回は看護部の樋口愛さんに「非経口摂取の重症心身障碍児(者)における口臭原因の検討」という発表をしていただきました。

 本研究の目的は「非経口摂取の重症心身障碍児・者も、口腔環境が悪化していると口臭が強くなる。」という仮説を検討することです。非経口摂取で経管栄養を実施している重症心身障碍児(者)を対象として、口腔環境の悪化(歯周病・齲歯・口内炎・口腔内乾燥)と口臭(揮発性硫黄化合物の量で測定)との関連を、歯科医や細菌検査技師の協力を得て検討しました。

 結果として揮発性硫黄化合物の量(口臭)は認知閾値より高く、強い臭気が確認されました。一方、歯周病原因菌(Pg菌)は検出されませんでした。また、口臭測定値と歯周ポケットの深さ、歯周病原因菌、齲歯・口内炎、口腔内乾燥との間に相関は認められませんでした。

 樋口さんによると、以上の結果は本研究で注目した因子以外に口臭の原因があることを示唆するということです。揮発性硫黄化合物量の増加は非経口摂取の重症心身障碍児(者)な所見かどうかについて、さらなる探究が必要だそうです。発表に対し、フロアからは硫黄化合物量の増加の原因や治療前後での変化の検討など、活発な意見交換が行われました。

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