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第55回若手育成カンファレンス報告書

  第55回の若手育成カンファレンスは病院身体リハビリテーション部で言語聴覚士(ST)として活躍されている織田千尋さんに『日本語版Communicative Effectiveness Surveyの信頼性と妥当性』という題で発表をしていただきました。
 神経変性疾患に罹患した方々では、運動性構音障害のため、コミュニケーションに困難さを感じる場面が生じています。この構音障害の重症度を測る指標としてSTによる聴覚印象で評価する尺度がありますが、当事者の自覚的重症度との不一致が問題になることがあります。そこで、話の通じやすさに関する評価法として米国で開発された自記式質問紙Communicative Effectiveness Surveyの日本語版(CES-J)を開発し,信頼性と妥当性を調べることを着想しました。
 口演では尺度の導入に当たって質問項目を英語から日本語への翻訳、更にそれを英語へ逆翻訳した上で、原著者の承認を得たプロセスが語られ、2015年2月から2017年1月までの間に神経変性疾患の罹患者100人(患者群)と健常対照13人(対照群)を対象として行われた調査についても説明されました。調査の結果を示しながら、Cronbach’s αや級内相関係数の値から信頼性を確認したこと、患者と対照群のCES-J総点比較や、CES-J総点と発話の自覚的重症度との関連性検討から妥当性を検討したことなどが説明されました。
 発表の後は、項目間の回答パターンに関する解析法に関する質問や、CES-J総点と言語聴覚士により評価された会話明瞭度の客観評価との相関が、自覚的重症度とのそれに比べて低いことから、CES-Jが反映している重症感の本質についての議論が提起され、臨床的観点からみた支援の方向性に至るまで論じられました。この研究成果をもとに、更なる発展が期待されます。

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