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第57回若手育成カンファレンス報告書

  第57回の若手育成カンファレンスは現在、病院で精神科医として活躍されている曽根大地さんに『1H-MRSを用いた、てんかん性放電による局所脳温度上昇の検出』という題で発表をしていただきました。

 てんかんは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のため発作を生じる疾患で、その有病率は約1%ともいわれています。近年の動物実験による報告では、てんかん性放電が局所の脳温度上昇を惹起するとともに、脳温度上昇がてんかん性放電を引き起こすとされていますが、ヒトにおいてはこの局所的温度上昇は確認されていませんでした。

 曽根さんは、磁気共鳴スペクトロスコピー(1H-MRS)を用い、水とN-アセチルアスパラギン酸(NAA)のピークを測定することで、局所の脳実質温度を非侵襲的に算出することを着想しました。持続性てんかん性放電をもつ患者さん6名を対象に、1H-MRSを施行した結果、焦点側36.8℃、反対側が36.0℃で、と焦点側の平均温度上昇を認め、てんかん性放電による焦点部位の温度上昇をとらえる可能性が示唆されました。

 発表の後は、1H-MRSによる温度評価の妥当性や、臨床的に複数の発作焦点を有する症例の存在などについてのコメントがあり、より検証的な評価を行うためのデザインについても提起されるなど、各方面からみた活発な議論が続きました。

 今後はMRIで病変のない患者への適用や、局所冷却療法への応用も期待され、更なる発展が期待されます。

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