当部について

ごあいさつ

公共精神健康医療研究部のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
2021年5月1日付で、当研究部の部長を拝命しました西大輔と申します。

わが国では、これまでに精神疾患を経験した人が総人口の約20%に上ることが疫学研究で指摘されています。過去12か月間に精神疾患を経験した人に限っても、総人口の5%から6%に上ると考えられています。一方で、精神疾患を体験している人のなかで医療機関での治療を受けている人は半分に満たないことが分かっています。

重症の精神疾患の方が適切な精神科医療を受けられることはとても重要なことです。一方で、精神疾患を経験した方すべてが精神科医療機関を受診しても、問題が解決するわけではありません。諸外国の研究から、受診率が高くなっても、うつ病や精神的苦痛の頻度が減少するわけではないことが示されています。

重症の精神疾患の方が、疾患の種類や地域によらず、エビデンスに基づいた医療を受けられるような仕組みを作っていくこと。同時に、精神科医療以外の方法でメンタルヘルスを良くしていく方法を見出して、普及していくこと。国民全体のメンタルヘルスを良くしていくためには、この両輪が求められていると思います。

当研究部では、学術的・政策的な研究・事業を通してこれらの課題に取り組み、さまざまな専門職や市民の方々と協働してわが国のメンタルヘルス向上を目指してまいりたいと思います。
部員一同、みなさまのご協力をいただきながら力を尽くしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

公共精神健康医療研究部
部長 西大輔