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第65回 若手育成カンファレンス報告書

理学療法士 板東 杏太

 第65回の若手育成カンファレンスは2名の演者により開催されました。
 第一席目は身体リハビリテーション部で理学療法士として活躍されている板東杏太さんに『脊髄小脳変性症患者(純粋小脳型)に対する集中バランストレーニング効果について』という題で発表をしていただきました。脊髄小脳変性症(Spinocerebellar degeneration: SCD)は小脳の萎縮によるバランス障害を主体とする変性疾患の総称ですが、遺伝形式の違いによって、同じ病名でも全く症状が異なります。近年、集中的なバランストレーニングがSCD患者のバランス能力を向上させることが明らかにされていますが、先行研究では対象者の属性として様々な型のSCDが混在しており、トレーニング後に症状の改善を観察した場合でも、大脳皮質や皮質下領域への効果による改善の可能性を考慮する必要があります。そこで、本課題では、純粋小脳型(SCA6, SCA31)のみでの4週間のトレーニング効果を検討することを着想しました。調査では13名の対象者について、Balance Evaluation-Systems Test (BESTest)を用いた検討を行ったところ、トレーニングによるバランス障害の改善を認めました。今後は、トレーニング期間を2週間とした場合の効果など、feasibilityに関する研究や、他の障 害に関する研究を検討していると、今後の研究について展望を語っていただきました。

医師 中嶋 愛一郎

 第二席目は第一精神診療部で医師として活躍されている中嶋愛一郎さんにより『認知行動療法前後のベンゾジアゼピン系抗不安薬処方量に関する予備的調査』という題で発表をしていただきました。ベンゾジアゼピン(BZD)系抗不安薬は、長期使用による認知機能への影響懸念される一方で、依存性や反跳性不安を生じるために中止が困難なことが知られています。諸外国に比べてBZD系抗不安薬(BZDs)の使用量が多い本邦では、この長期使用を防ぐことが大きな課題になっています。認知行動療法(CBT)は、様々な精神疾患に対する効果が示されていますが、BZDsの処方量に対する検討は少ないのが現状です。そこで、本課題では、不安障害または気分障害の患者を対象として、CBT実施前後におけるBZDs処方量の変化を検討することを着想しました。当院のCBT外来に紹介された患者で組み入れ基準を満たした44人について、後ろ向きに調査を実施し、CBTの実施前後で、ジアゼパム換算で平均1.9mgの減量を確認しました。また、44人中の14人が50%以上のBZDs減量を達成し、そのうち更に10人はBZDsの処方を中止されていました。これまでの研究成 果については論文を執筆中であり、今後も更なる発展が期待されます。

 両演題とも、カルテ情報を活用した単群比較で治療的介入の効果を検討しており、発表の後には解析法などの技術的な観点や、結果の臨床的位置づけといった点などについて、活発な議論が行われました。

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