TMC事務局
Tel:042-341-2711(大代表)

ホーム教育・研修若手育成カンファレンス > 第71回 若手育成カンファレンス報告書

第71回 若手育成カンファレンス報告書

第71回の若手育成カンファレンスは神経研究所 疾病研究第三部とメディカル・ゲノムセンターで心理療法士として活躍されている横田悠季さんに『自閉症スペクトラム障害と統合失調症の視覚探索機能の比較 -中間報告:健常者のデータから―』という題で発表をしていただきました。
 自閉症スペクトラム障害 (ASD)と統合失調症は異なる疾患ですが、臨床症状のなかには類似したものもあり、成人症例において特に発達歴の聴取が難しい場合、鑑別に迷うことが課題になっています。しばしば実施される知能検査では、両者とも処理速度が低下する傾向にありますが、その背景にある視覚探索機能に横田さんは着目し、ASDでは固執性や社会性の問題が、一方、統合失調症では、精神運動速度や目標志向への意欲の低下が処理速度の低下に結びつくと仮説しました。そこで、本研究では処理速度の課題を用いて、ASDと統合失調症の視覚探索運動の違いを明らかにすることを着想しました。口演では符号課題における健常群のデータを報告し、JARTによる推定IQが高い者ほど全図版の総合注視時間及び停留点が少なくなることが示されました。
 発表の後は、健常群の健常性定義についての議論や、本研究の仮説を証明するために必要となる共変量についての活発な議論が提起されました。今後は、ASDや統合失調症の罹患者における調査実施が予定されており、新知見が期待されます。

[ TOPへ戻る ]