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(独)国立精神・神経医療研究センターは、
筋ジストロフィーに対する国際共同治験に取り組んでいます

 遺伝性の難病であるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの新薬の開発を目的とした、製薬企業のグラクソ・スミスクラインによる国際共同治験に日本も参加しています。
 治験とは、有効性と安全性を評価するための臨床試験で、新薬の承認には必要となります。しかし筋ジストロフィーは患者さんの数が少ない神経難病であるため、今回は全世界の協力のもと新薬の開発が行われています。これまでには、筋ジストロフィーそのものへの治療薬がありませんでしたが、世界同時開発に日本も参加することに注目を集めています。独立行政法人国立精神・神経医療研究センターは、社団法人日本筋ジストロフィー協会のご理解のもと、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者さんの登録制度(Remudy)を創設するなど、筋ジストロフィーに対して治療法を開発するために、長年努力してきました。今回の治験についても計画初期の段階から関わり、治験自体にも参加しています。今回の治験では、人工的に作った核酸を投与することで、遺伝子異常部分に隣接する部分(エクソン)を読み飛ばして筋肉のタンパク質を生成する効果を、フランス、ドイツなど最大18カ国の5歳以上の180人の患者さん1年間にわたって投与し確認します。ただし、今回の治験でも新薬の評価に欠かせないプラセボ(有効成分を含まないくすり)が、全体の3分の1の患者さんに投与することにはなります。
 効果と安全性が証明された場合には、各国で新薬の承認申請を行う予定となっています。今回の治験は遺伝子変異のタイプ、歩行可能、ステロイド内服中であることなど対象となる患者さんは限定されてしまいますが、この治験が筋ジストロフィーの治療法の発展に期待されています。

参考となるホームページ:
筋ジストロフィー患者登録サイト(Remudy)
グラクソ・スミスクライン株式会社
GlaxoSmithKline(英語)

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