ホームトピックス一覧 > 安静状態の脳活動パターンが自閉症スペクトラム傾向に関与していることを解明

安静状態の脳活動パターンが自閉症スペクトラム傾向に関与していることを解明

2014年6月27日
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 自閉症スペクトラム障害(ASD)をもつ青年期男性の方々は、定型発達の青年期男性(定型発達群)と比べて安静状態でのデフォルトモードネットワーク(default mode network;DMN)と呼ばれる脳領域での脳活動の機能的連結が弱いことを、MRIを用いた研究にて明らかにしました。また、自閉症傾向とDMNの機能的連結との間の相関が、ASD群だけでなく定型発達群においても認められ、DMNにおける機能的連結の強さが、ASD診断にかかわらず自閉症スペクトラム傾向のバイオマーカーになる可能性が示唆されました。安静状態で脳活動を調べられるこの簡便な手法が、幼少児の年齢層にも普及し早期発見・早期治療となる手がかりを得ることや、治療的アプローチの効果判定に応用できることが期待されます。

 本研究は、文部科学省「脳機能研究戦略推進プログラム」、ならびに、科学研究費助成事業の一環として行われ、福井大学、大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学 連合小児発達学研究科 福井校、名古屋大学、金沢大学の共同研究として、国立精神神経医療研究センター 児童思春期精神保健研究部 石飛信 室長、福井大学子どものこころの発達研究センター 小坂 浩隆准教授、ジョン ミンヨン院生(大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学 連合小児発達学研究科 福井校)、名古屋大学大学院医学系研究科精神生物学 飯髙 哲也准教授、金沢大学子どものこころの発達研究センター 棟居 俊夫特任教授らを中心として行われました。
 今回の研究成果は、電子版科学雑誌「Molecular Autism」(6月11日)に掲載されました。
(“Default mode network in young male adults with autism spectrum disorder: relationship with autism spectrum traits”(日本語タイトル:「安静状態の脳活動パターンが自閉症スペクトラム傾向に関与している」)。
DOI 番号:10.1186/2040-2392-5-35
Molecular Autism ホームページ(http://www.molecularautism.com/content

【お問い合わせ先】

【研究に関すること】

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所
児童思春期精神保健研究部室長 石飛信(いしとび まこと)
TEL:042-341-2712 内線6236

【報道に関すること】

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
総務課 広報係
TEL:042-341-2711(代表)

[ TOPへ戻る ]

当センター敷地内は禁煙です