ケースマネジメントの機能
一般的にケースマネジメントには、次のような機能があります。
I. 基本機能
- ニーズのアセスメント
- 包括的なサービス計画の作成
- 提供されるサービスの手配
- 提供されたサービスのモニタリングと評価
- 結果の評価とフォローアップ
II. 付加的機能
- アウトリーチ (訪問サービス)
- 直接サービスの提供 (直接ケースワーク等)
- 弁護的・アドボカシー機能 (新規社会資源など支援環境開発を含む)
- 危機介入
Intagliata J: Improving the quality of community care for the chronically mentally disabled: the role of case management. Schizophrenia Bulletin 8(4):655-674, 1982. https://doi.org/10.1093/schbul/8.4.655
ケースマネジメントの流れ
ケースマネジメントの流れは、以下の図で表すことができます。
- 利用者の基礎的な情報を聞き取ります(インテーク)
- 利用者の現状や支援のニーズを聞き取り、支援の必要性を評価します(アセスメント)
- 個別の支援計画を立てます(プランニング)
- 計画に沿ってサービスを利用できるよう、紹介・調整を行います(支援の手配)
- 適切に支援が届いているか、ニーズに合っているかなどを確認します(モニタリング)
- 現状を評価し、もしうまくいっていなければ、もう一度アセスメントから行います(評価)
ケースマネジメントの種類
ケースマネジメントにはいくつか種類があります。大きな分類としては、仲介型と集中型があります。
仲介型
- 基本機能(アセスメント、計画、手配、モニタリング、評価)のみ。
- ケースマネジメント担当者は、サービスを調整する役割だけを担う。
- 高齢者介護で行われているケアマネジメントはこれに該当。
ケースマネジメント担当者が、サービス利用契約の仲介人になるイメージです。
集中型
- 基本機能に加えて、付加的機能も有する。
- アセスメントはケースマネジメント担当者1人ではなく、複数の職種で行う。
- ケースマネジメント担当者は、他のサービスを調整するだけでなく、診察に同行したり、家事ができるよう支援したりと、自らも支援者として関わる。
- 国際的にエビデンスが認められている。
ケースマネジメント担当者がより深く利用者と関わるので、効果が高いと考えられています。