知的・発達障害研究部の概要
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 知的・発達障害研究部のホームページを訪れていただき、誠にありがとうございます。
神経発達症(発達障害)の有病率の高まりと社会的認知の増加を受け、神経発達症への理解と支援の重要性がこれまで以上に高まっています。多様な個性と能力を持つ神経発達症のある方々が、それぞれの可能性を最大限に発揮できるよう、我々の研究部は日々活動に取り組んでおります。
私たちのミッションは、1)科学的根拠に基づいた実用的な研究を通じて社会に貢献すること、2)次世代を担う研究者を育成すること、そして3)各種研修を通じて神経発達症の診療及び支援の質を国内で向上させることです。
1)の研究活動では、神経発達症の早期発見、病態の解明による効果的な介入についての研究などを行い、社会への還元を目指しています。また、国内でも数少ない精神疾患・神経疾患に特化した、様々な専門的な解析技術を有する研究者がいる利点を活かして、共同で研究を行っています。この協働により、2)次世代を切り開く研究者を育成するための素晴らしい教育環境を提供することが可能となっていると考えています。さらに、厚生労働省との連携で、国内の著名な研究者・臨床家を招いて、神経発達症の臨床・支援に関わる3)人材育成のための研修を行っています。これにより、高い専門性を持った支援体制の構築が進み、全国各地での診療・支援の質の向上に繋がるものと考えています。
神経発達症は実は0か1かと明確な線引きができるものではなく、なだらかに繋がる連続体であり、誰もが程度の差はあれ、神経発達症の特性を有します。最近ではこれをNeurodiversity(神経多様性)と表現することもあります。このため、神経発達症を研究するということは、人そのものを対象として研究をすることに他なりません。また、神経発達症と診断される方に対する合理的配慮は、いわゆる定型発達と言われる方に対しても、学業、仕事、生活の質を上げることが示されています。このように考えると、神経発達症を研究するということは、誰もが生きやすい社会を実現するための手がかりを見出すことである、と言うことができるかと思います。
今後とも、私たち知的・発達障害研究部の活動にご支援とご期待を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。また、若手の研究者の皆様には、一緒に学び、一緒に成長していけることを楽しみにしております。
TOPICS
- 2025年8月1日
- 古家宏樹が発達機能研究室長に、畠山太一がリサーチフェローに着任しました。詳しくはスタッフ紹介をご覧ください。
- 2025年4月1日
- ホームページをリニューアルしました。
- 2024年9月1日
- 髙橋長秀が部長に着任しました。詳しくはスタッフ紹介をご覧ください。
- 2024年4月1日
- 江頭優佳が知的障害研究室長に着任したほか、部員の変更がありました。詳しくはスタッフ紹介をご覧ください。