神経変性疾患の細胞種特異的な病態解析

脳の中には神経細胞以外にも、グリア細胞、血管を構成する細胞、などさまざまな細胞が存在しており、それぞれの細胞が別々な機能を持って働いています。それは健常な脳だけではなく、疾患においても同様です。例えばアルツハイマー病では、神経細胞の変性だけでなく、白質の障害(オリゴデンドロサイト)や、ミクログリアを中心とした炎症性変化など、さまざまな病態に関わっています。当研究室では、セルフソーターを用いて個々の細胞を別々に解析し、個々の細胞がどのように病態に関与しているかを解析しています。神経細胞特異的なDNAメチル化解析の結果から、アルツハイマー病の神経細胞においてDNA修復タンパクBRCA1の機能異常が存在することを明らかにし、神経変性過程におけるDNA傷害の意義について報告しました。