小児医療とこども・ご家族の支援

小児医療とこども・ご家族の支援

希少な小児神経疾患を診断し、その原因を遺伝子レベルで探り、希少神経疾患の病態を解明し、新たな治療法の開発を目指します。

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小児神経診療部では、原因不明の神経症状を呈す子ども達について、その症状や経過を詳しくお話を伺います。丁寧に診察し、中枢神経画像所見を細かく読み、脳波などの検査を行い、必要に応じて遺伝子検査を行って診断を確定しています。未知だった疾患の病態解明と新たな治療法開発を目指しています。

種類は多く人数は少ない希少な小児神経疾患

小児の神経疾患は非常に疾患数が多いことが特徴です。しかし、それぞれの疾患は患者さんの数が少なく、ほとんどの医師は診療経験が乏しいため、診断すること自体が困難です。そのためにこれらの患者さんに行うべき治療やリハビリテーションなども未確立のため、適切な医療介入を行うことがまだまだ難しい分野です。NCNP 病院小児神経科では、40 年にわたる歴史の中で多くの経験が積み重ねられてきました。特に小児の希少神経疾患への診断・治療への取組みに大きな力を入れています。

希少な小児神経難病の子どもたちを診断

生後のある時点まで順調に育っていたお子さんが、成長過程のある時からけいれん発作や身体のふらつきを示したり、身体が軟らかくなったり、硬くなって動きが減ったり、あるいは意思によらない勝手な動き(不随意運動と言います)を呈したりすることがあります。これらの症状を持つお子さんの場合、一般的な血液検査や中枢神経画像検査を受けても確定診断が困難なことがあります。さらに、遺伝子診断などの検査方法を用いることで、小脳失調症、不随意運動症、乳児てんかん性脳症などの希少小児神経疾患が正確に診断されるようになってきました。例えば、これまでは、家族歴のない小児の孤発性小脳失調症の確定診断は非常に困難でした。網羅的遺伝子検査を行うことにより、原因を明らかにすることも可能になってきました。NCNP病院小児神経科では、優性遺伝を示し中高年に多いとされていた脊髄小脳失調症(SCA)5 型、13 型、15 (29) 型などが乳幼児期に発症することがありえることを見出し、その臨床像を報告しました。

希少な小児神経疾患の治療

これまで診断がつかなかった希少な小児神経疾患も、徐々にその原因がわかってきていますが、それがすぐに治療につながるわけではありません。遺伝子レベルでの診断がついても、対症療法やリハビリテーションを続ける必要があります。しかし、近年では、様々な分野の希少疾患にも治療法開発の目が向けられており、それは、小児神経疾患でも同様です。NCNP病院小児神経科では、神経研究所や他の研究機関とも連携、協力し、例えば先天性白質ジストロフィーの治療研究を行うなど、希少小児神経疾患の治療開発を行なっています。