国立精神・神経医療研究センター病院にて神経難病「多発性硬化症」に対する医師主導治験(前期第二相試験)を開始~NCNP初の経口治験薬OCH-NCNP1の有効性・安全性の検証へ~

国立精神・神経医療研究センター病院にて神経難病「多発性硬化症」に対する医師主導治験(前期第二相試験)を開始~NCNP初の経口治験薬OCH-NCNP1の有効性・安全性の検証へ~

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国立精神・神経医療研究センター病院にて神経難病「多発性硬化症」に対する
医師主導治験(前期第二相試験)を開始
~NCNP初の経口治験薬OCH-NCNP1の有効性・安全性の検証へ~

2019年12月25日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP)
Tel:042-341-2711(総務部 広報係)

 国立精神・神経医療研究センター病院にて神経難病「多発性硬化症」に対する医師主導治験(前期第二相試験)を開始 ~NCNP初の経口治験薬OCH-NCNP1の有効性・安全性の検証へ~ 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市 理事長:水澤英洋)は、NCNP病院(病院長:中込和幸)において、神経難病である多発性硬化症(MS, Multiple sclerosis)患者を対象とする経口治験薬OCH-NCNP1の医師主導治験(前期第二相試験)を開始することをお知らせいたします。

※当該治験の詳細な内容については、以下のアドレスの「治験参加のお願い」をご参照ください。 https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/special/multiple-sclerosis.html/#link4

 OCHは、NCNPの山村隆特任研究部長らのグループが、海綿に寄生する細菌が産生する糖脂質α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)の構造を修飾して創製した化合物です。
  近年では、OCHやα-GalCerの類縁体がヒトの腸内細菌から産生され、ナチュラルキラーT(NKT)細胞からTh1サイトカインとTh2サイトカインを誘導して免疫の恒常性維持に寄与していることが明らかにされています。特にOCHは、Th1サイトカインの作用に抑制的に働くTh2サイトカインを、α-GalCerに比べ優位に誘導し、Th1サイトカインの過剰な作用が発症原因となる慢性疾患の炎症を是正することが期待されています。
 NCNP病院で実施された第一相試験において、OCHの安全性、薬物動態、薬効を示唆するバイオマーカーの変化を確認したことを受けて、今回、OCH-NCNP1の有効性を評価するためのプラセボ対照ランダム化二重盲検試験の前期第二相(Ⅱa試験)をNCNP病院にて実施することになりました。治験薬は経口剤で週1回内服し、6か月間治験薬を服用し、有効性及び安全性の検討を行います。

 OCH開発については、慶應義塾大学病院において、NCNPとの共同研究により、2016年よりクローン病の患者様を対象とする医師主導治験(第Ⅰ/Ⅱ相試験)が進められています。また、国内の大学等研究機関の研究シーズの開発を支援する公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター(TRI)*の紹介を受け、EAファーマ株式会社とNCNPは2019年8月にOCH-NCNP1のグローバルライセンス契約を締結いたしました。 また、今回開始する治験についても、TRIからの支援を受けております。 以上

※本治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化研究事業  (2018年度~2020年度)の支援によって行われています。
* 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター(TRI) https://www.tri-kobe.org/