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当センター研究チーム(神経研究所疾病研究第二部と病院小児神経科)が第17回国際神経病理学会において、優秀ポスター賞を受賞いたしました。

 平成22年9月11日~15日、ザルツブルグ(オーストリア)で開催された「第17回国際神経病理学会(ICN2010)」(4年に一度開催)において、齋藤貴志研究生(神経研究所疾病研究第二部、病院小児神経科)が優秀ポスター賞を受賞いたしました。

優秀ポスター賞

◆齋藤 貴志(神経研究所疾病研究第二部、病院小児神経科)(Abstract PDF:98KB

Neocortical Layer-formation of Human Developing brains and lissencephalies: Consideration of layer-specific marker expression

ヒト発達期および滑脳症の大脳皮質層形成に関する研究:大脳皮質層特異的分子の発現から

 ヒト発達期大脳皮質層形成過程を調べるために、TBR1、FOXP1、SATB2、OTX1、CUTL1、CTIP2 の免疫組織化学を行なった。胎生期中期にSATB2 陽性細胞は大脳皮質(正常ではI~VI 層に分かれている)の第 II 層から第IV 層にみられ、CUTL1 陽性細胞は第 II から第V 層に、FOXP1 陽性細胞は第 V 層に、OTX1 陽性細胞は第II 層と第 V 層に、CTIP2 陽性細胞とTBR1 陽性細胞は第 V 層と第VI 層にみられた。しかし、生後3ヶ月にはこれらの分子の発現は観察できなくなっていた。一方、滑脳症のMiller-Dieker 症候群(MDS)、外性器異常を伴うX 連鎖性滑脳症(XLAG)では、SATB2 陽性細胞、CUTL1 陽性細胞、FOXP1 陽性細胞、TBR1 陽性細胞が層を成さずに、大脳皮質の上層に広範に存在していた。また、先天性福山型筋ジストロフィー(FCMD)では、これらの陽性細胞がglia limitans近傍あるいはそれより上層に存在していた。正常発達脳では、これまでの報告にあるマウスの知見に類似していたが、それぞれの標的細胞は独立して存在し機能分化することを示唆していた。また、滑脳症の神経細胞移動の機序は不明であったが、全くin side-out によらないrandom な移動をしていることが分かった。

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