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日本人科学者として初めて「ゴールデン・クレペリン・メダル」を受賞
国立精神・神経医療研究センター 樋口輝彦総長
2014年10月9日
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市)総長 樋口輝彦は、2014年10月1日、日本人の科学者として初めて、ゴールデン・クレペリン・メダル(Golden Kraepelin Medal)を受賞しました。
当メダルは、ドイツのマックス・プランク精神医学研究所(Max-Planck-Institut für Psychiatrie)1)が、研究所の創設者であり、著名な科学者である エミール・クレペリン2)を記念して1928年に制定したもので、精神医学の基礎研究あるいは、それらに関連する分野において顕著な業績を挙げた者に授与されています。
また、1928年から2012年までの84年間に18名が受賞し、その中には現存在分析の創始者ビンスワンガー(Binswanger;1956)、統合失調症の概念確立に貢献したクルト・シュナイダー(Kurt Schneider;1966)、神経伝達物質ドパミンの発見でノーベル賞を受賞したアルビド・カールソン(Arvid Carlsson;1997)、神経解剖学の発展に寄与したトマス・ヘクフェルト(Tomas Hökfelt;2012)などが含まれています。本年は、樋口総長をはじめ3人の科学者に贈られました。
樋口総長は、2003年よりマックス・プランク精神医学研究所の研究アドバイザリーを務め、そして特にうつ病の神経内分泌学的研究の日独共同研究を進めるなど、マックス・プランク精神医学研究所とNCNPの交流および共同研究を推進しました。
今回の樋口総長の受賞は日本のみならず、アジアにおいても初めての受賞となります。
【2014年ゴールデン・クレペリン・メダル受賞者】
Teruhiko Higuchi(樋口 輝彦) 日本
Ron de Kloet(ロン・デ・クロー) オランダ
Alan Schatzberg(アラン・シャッツベルグ) アメリカ
注:
1) マックス・プランク研究所
マックス・プランク学術振興協会(独: Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e. V. 略称:MPG)が運営するドイツを代表する学術研究機関の総称。MPGが運営する研究機関は、2006年5月現在で78機関に上る。マックス・プランク研究所の研究対象は、生物・医学分野、化学・物理学・工学分野及び精神科学・社会学・人間科学分野の3分野に大別される。年間予算は13億ユーロ。連邦政府及び州政府の公的資金で賄われている。
2) エミール・クレペリン(Emil Kraepelin, 1856-1926)
ドイツの医学者、精神科医。ドルパート大学、ハイデルベルク大学、ミュンヘン大学教授。1899年、精神病を早発性痴呆(統合失調症)と躁鬱病(双極性障害)に分類し、近代精神医学の基礎を築きました。
マックス・プランク精神医学研究所長のFlorian Holsboerから賞状とメダルを授与される
(写真上:授賞式後のメダルを手にしたショット、写真下:賞状)
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