ホームトピックス一覧 > トピックス 詳細

国立精神・神経医療研究センター 安村明研究員
平成26年度日本イーライリリーアワードを受賞

2015年4月30日
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、総長:樋口輝彦)・精神保健研究所(所長:福田祐典)知的障害研究部研究員 安村明は、平成26年度公益財団法人小児医学研究振興財団 日本イーライリリーアワードを受賞し、2015年4月18日 第118回日本小児科学会学術集会会場において表彰されました。

 平成26年度公益財団法人小児医学研究振興財団 日本イーライリリーアワードは、日本小児神経学会が当学会機関誌「脳と発達」および「Brain&Development」掲載の合計36編の中から推薦した研究論文に対して公益財団法人小児医学研究振興財団の選考委員会が厳正な審査の結果選考し、同財団の理事会の承認を得て表彰している賞です。

 安村明研究員は、小児の健康及び疾病に関する研究業績に対する褒賞として、本アワードの受賞に至りました。

■研究概要
 注意欠陥/多動性障害(ADHD)の中核症状として実行機能や報酬系の障害が指摘されていますが、定量的な評価はできていませんでした。本研究では、ADHD児における干渉抑制に関わる神経基盤の解明のため、ストループ(意味干渉、色干渉)課題を作成し、行動学的ならびに脳血流変化を検討しました。定型発達(TD)児、ADHD児、自閉症スペクトラム(ASD)児に対して、ストループ条件及び逆ストループ条件中の前頭前野の脳血流変化を近赤外線分光法(Near Infrared Spectroscopy: NIRS)によって計測しました。

 ADHD児は逆ストループ条件での干渉率がTD児と比較して高値を示しました。また、ADHD児はTD児と比較して前頭前野脳血流に賦活低下を認めました。以上の結果から、ADHD児は逆ストループ条件における色干渉に脆弱であることが示唆されました。また、NIRS所見がADHD児の臨床診断のための客観的な指標となりうることが示されました。

■研究論文
Yasumura A, Kokubo N, Yamamoto H, Yasumura Y, Nakagawa E, Kaga M, Hiraki K, Inagaki M. Neurobehavioral and hemodynamic evaluation of Stroop and reverse Stroop interference in children with attention-deficit/ hyperactivity disorder. Brain Dev. 2014. 36: 97-106.


表彰を受ける 安村明 研究員(写真提供:小児医学研究振興財団)

[ TOPへ戻る ]

当センター敷地内は禁煙です