ストレス・トラウマから心を守る 効果のある治療と回復のために
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当研究部では、ストレス、トラウマなどによる心身への影響を緩和し、効果的な支援の研究を進めるとともに、代表的な病態であるPTSD、摂食障害、不安症、心身症、生活習慣病の神経科学的な病態解明と治療研究を推進しております。そのために狭義の医学研究だけではなく、心理学、社会学、保健学といった学際的な連携を進め、国内外の研究機関やWHOなどの国際機関とも連携しています。
ストレスやトラウマはいわゆる「こころ」の問題と言われることが少なくありません。災害や犯罪被害においては、まずは被災者、被害者の方々のこころを保護するために心理的応急処置(PFA)をWHOとの協力のもとに導入、普及し、誰でもできる心のケアのあり方を社会に広めています。
PTSDや摂食障害、不安症、心身症については、認知行動療法が有効であることが分かっており、私たちもその開発、治療効果研究、研修、指導を推進しています。
「こころ」の背景には脳機能、ストレス免疫、遺伝子発現などの多くの生物学的要因が関与しています。私たちはこうした要因の解明を通じて、的確な診断方法や画期的な治療法を開発するための研究にも取り組んでいます。
こうした多彩な研究を通じて、ストレス、トラウマを抱えた方々が少しでも回復できるように努力をして行きたいと思っております。
行動医学研究部 部長
堀 弘明