私は2007年に藤田医科大学を卒業後、臨床研修を経て、名古屋市立大学精神科に入局しました。言葉のやりとりによって治療するセラピストに憧れて、精神科レジデント時代より認知行動療法を学び、その後トラウマの病理と回復過程に興味と共感を覚えて、トラウマ関連疾患の認知行動療法を専門としました。2017年にPTSDの認知行動療法である持続エクスポージャー療法(PE)の認定治療者、2021年にPEのスーパーヴァイザーの資格を得ています。

豊川市民病院という田舎の有床総合病院に赴任し、神経性やせ症、難治例、ケースワーク困難例などを何とか改善させようとする試行錯誤を繰り返す中、難治例の回復を特に望むようになりました。また摂食障害の治療リソースの不足を目の当たりにし、いつかこういった医療体制が改善しないといけないという問題意識を持つようになりました。

研究としては認知行動療法の効果研究・予後予測研究を主に行って来ましたが、治療を受けたくても得られない患者さまに治療を届けること（普及・連携推進）もライフワークの一つだと思っています。

2021年4月より国立精神・神経医療研究センターに着任し、本研究部では、PTSDの病態解明研究・薬物療法研究、摂食障害の脳画像研究に関わると同時に、摂食障害基幹支援センターの運営に携わっています。持続エクスポージャー療法の治療研究も進めています。長年治療を受けても改善しない患者さま、トラウマのせいで時間が止まった患者さま、幼い頃の家庭環境が複雑で後遺症としての精神症状をお持ちの患者さまに、貢献できるような研究を進めていきたいと思っています。

併任
名古屋市立大学大学院医学研究科　精神・認知・行動医学分野　客員講師
愛知学院大学　心身科学研究科心理学専攻　非常勤講師
文教大学　人間科学科　臨床心理学科　非常勤講師

日本精神神経学会　　学会認定専門医・指導医　　災害支援委員
日本トラウマティック・ストレス学会理事　　広報委員長
日本認知・行動療法学会
日本認知療法・認知行動療法学会
日本E M D R学会
日本声楽発声学会

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