
~Book Review~「臨床に役立つ 精神疾患の栄養食事指導」(講談社 功刀 浩/阿部 裕二 編)
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- ~Book Review~「臨床に役立つ 精神疾患の栄養食事指導」(講談社 功刀 浩/阿部 裕二 編)

うつ病や認知症等の増加に伴い、診療施設において精神科領域の患者さんの身体疾患(例えば、脂質異常症、肥満症、2型糖尿病、高血圧症等)コントロール目的に「栄養食事指導」の依頼を受ける管理栄養士も増加していると思います。
従来、栄養食事指導で管理栄養士が経験する精神科領域の多くは、「摂食障害」や「アルコール依存」で、それ以外の精神疾患と「臨床栄養学」については、学ぶ機会も少なく、テキストもほぼありません。これは大学の管理栄養士の養成課程でも同様です。
しかし、近年では栄養素や食事の仕方で精神疾患の療養や予防に効果を及ぼすというエビデンスが集まり、「精神栄養学」という概念も確立してきております。
本書は、精神疾患の専門病院に勤務する管理栄養士が各施設内で医療職種と共に対応したこと、経験したこと、そこから学んだ事例を基に、精神科領域における栄養食事指導の際の着目点、注意点をまとめたもので、日々、栄養食事指導を行う「管理栄養士」を対象に作られた待望の「テキスト」です。
もちろん、管理栄養士以外の方々や管理栄養士を目指す学生さん等にもご一読いただき、管理栄養士がどのような目線で指導行っているのかが、参考になると思います。
内容(目次)
第1章 精神疾患の治療における栄養学的観点
第2章 精神疾患の基礎知識と栄養学的問題点
・統合失調症
・気分障害
・神経発達症(発達障害):自閉症スペクトラムと注意欠如・多動症
・摂食障害
・アルコール依存症
・認知症
・てんかん
第3章 精神科における栄養食事指導の基礎
第4章 精神疾患別栄養食事指導のポイント
第5章 身体疾患のメンタルヘルスにおける管理栄養士の役割
第6章 精神科における栄養食事指導のQ&A
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