今年も例年通り、9月1日(金)の防災の日の献立は、当院で保管している非常食の一部を提供させて頂きました。(下記にその一例を示します。)最近の非常食は加工技術の向上等もあり、大変美味しくなりましたので実際に召し上がって頂いても違和感はなかったと思います。
【常食:赤〇印が非常食の「チキンライス」】【形態調整食:赤○印が非常食を使った「キャロットスープ」と主菜にかけた「ハンバーグソース」】
今年は、関東大震災発災から100年です。 各官公庁や都庁のホームページ等には100年前の震災時の貴重な写真や資料が公開されておりました。その他にも、日頃からの備蓄方法やその工夫、いざという時の対策などが具体的に示されており、記憶に新しい様々な自然災害が、日本だけでなく世界各地も発生している昨今です。この節目の年に、震災を含めた自然災害について、過去の事例を元に、発災時の対応だけでなく平時からその時に「備える」ことの重要性を改めて考えるよい機会となりました。 そこで今回のお食事には、メッセージカードの他に非常食について、農林水産省ホームページから抜粋させて頂いた非常食に関する資料の一部を縮小して(上記写真の黄色枠)提供させて頂きました。
病院では様々な備蓄がありますが、当部門の備蓄である「非常食」は、毎月賞味期限と在庫数を確認し、賞味期限が切れる前に計画的に日々の給食の食材として使用しています。 非常食はそのまま頂いても十分美味しいのですが、日常の給食で提供させて頂く際は、「災害時」とは違いますので、使い方やメニューをアレンジして用いています。
今回は「防災の日」でしたので、災害時と同様の方法で調理した「チキンライスα化ご飯」をお湯で戻して提供させて頂きました。このα(アルファ)化米とは、「炊飯後に乾燥させて作った加工米のことで、炊かなくてもお湯や水を注ぐだけでご飯になるため、非常用に利用されている。なおアルファ化米のアルファというのは、米のデンプンの状態のことで、炊飯して柔らかくなった(糊化)状態をアルファ化状態という。~農林水産省 ホームページより抜粋~」で、当院で非常食として備蓄しているα化米の非常食の賞味期限は製造より5年となっています。 食事形態の調整が必要は方には、α化米ではなく、スープや主菜のソースとして、保存している非常食をアレンジして使用しました。
病院食において、通常より非常食に触れていることは大切ですが、特に災害時を想定しての非常食の提供は調理スタッフにとっても貴重な災害の研修にもなります。 今後、9月1日と同様に、1月17日、3月11日も非常食を提供させて頂く予定です。 ご協力、よろしくお願いいたします。
栄養管理室