
先天性代謝異常症
先天性代謝異常症とは
生まれつき、特定の酵素が欠損していたり、代謝の働きが障害され、物質が体内に欠損したり、過剰に蓄積することで様々な症状を引き起こす遺伝性の疾患です。先天性代謝異常症の分類として、有機酸、アミノ酸、尿酸サイクル、糖質、脂肪酸、リソゾーム、リポタンパク、核酸、膜担送タンパクなどの代謝異常症が知られており、疾患の数としては数百種類が確認されています。一部の疾患は早期に発見することで治療や発症予防が可能なものもあり、新生児マス・スクリーニングの対象となっています。診断のために問診、診察、血液検査、尿検査、遺伝子の解析などが必要ですが、それ以外の精密検査も行われることが多いです。治療が可能な疾患に対しては、薬物療法、酵素補充療法、食事療法などが行われます。
先天性代謝異常症の症状
症状は、疾患のタイプによって様々です。発症パターンとしては、新生児期に嘔吐や眠りがち、呼吸の異常で発症するタイプ;乳幼児期にか風邪や食事をとらないことをきっかけに急激に意識がなくなる、けいれんなどで発症するタイプ;小児期以降に筋肉の痛みなどで発症するタイプ;緩やかに神経退行を示すタイプなどが知られています。症状は多彩ですが、以下のような症状が起こりえます。
- けいれん、意識がなくなる
- 顔立ちが特徴的、皮膚の特徴的所見、体臭、尿臭
- 感染症や食事を抜いた後に急激に体調不良となる
- 呼吸の異常
- 心筋症、肝臓や脾臓が大きくなる
- 原因不明の突然死
- 発達の遅れ
- できていたことができなくなる(退行)