第23回てんかん重積」とは?

第23回
てんかん重積」とは?

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2024.01.23「てんかん重積」とは?

脳が一時的に過剰に興奮することで、意識消失やけいれんなどが起きることを“てんかん発作”といいます。
ほとんどのてんかん発作は通常1-2分程度で停止します。しかし、何らかの理由で発作が止まらなくなってしまうことが稀(まれ)にあり、そのような状態を「てんかん重積状態」と呼び、注意が必要です。

「てんかん重積状態」は「発作がある程度の長さ以上に続くか、または短い発作でも反復し、その間に意識の回復がないもの」と定義されます。

発作が長時間持続すると後遺障害の危険性があります。例えば、けいれんするような発作が5分以上持続した場合は、ただちに治療を開始すべきです。
ですので、発作が長時間続く、あるいは反復する傾向のある患者さんの場合には、普段から「てんかん重積状態」に備えた対応を主治医とご本人・ご家族の間で確認しておくとよいです(例:どのような発作がどの程度続いたら救急要請をすべきか否か。頓用薬を使用するか否かなど)。

また、「てんかん重積状態」はてんかん以外の病気でも起こります。転帰の悪い(亡くなってしまう、大きな後遺症を残す)てんかん重積は、急性脳炎や細菌性髄膜炎、脳卒中などの急性の病態を原因として、てんかん重積が起こった場合に多いとされています。そういったケースでは、発作の治療をしつつ原因の病気の治療も必要です。

「てんかん重積状態」になった場合には、医療的な対応が必要な緊急性が高い状態ですので、迷わず救急病院への連絡や救急車の要請をしてください。

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