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2025.02.20
いつもと薬が変わらないのに、高くなっている!?
てんかんの定期受診の際、病院、クリニックでいつもと同じ薬を処方してもらったのに、調剤薬局での支払いが高くなった…そんな話が出てきています。
これは、2024年10月から始まった、後発医薬品(ジェネリック医薬品)のある先発医薬品(長期収載医薬品)の選定療養についての制度、いわゆる「選定療養費制度」が関係しています。
厚生労働省は国民皆保険を守っていくため、医療費財政の改善を図ることを決めました。厚生労働省のHPに記載されている案内が下記になります。
引用元:厚生労働省HP「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」
この「特別の料金」というのは、先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の料金のことです。例えば、先発医薬品の価格が1錠100円、後発医薬品の価格が1錠60円の場合、先発医薬品を利用する方は差額40円の4分の1である10円が「特別の料金」として自己負担となります(自己負担分については課税対象となり、別途消費税10%が加算されます)。
薬価から「特別の料金」を引いた金額の1~3割が保険対応の患者負担額になり、これに先ほどの特別料金と消費税を合わせたものが支払額になります(図参照)。
引用元:厚生労働省HP「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」>「特別の料金の計算について」
ただし医療上の必要性があると判断された場合はこの限りではありません。また流通問題により医療機関や調剤薬局に後発医薬品の在庫がない場合も、特別の料金支払いの対象にはなりません。医療上の必要性についてご不明な場合は、医師へご相談ください。
てんかん治療で使用する薬剤では2024年9月時点で9成分が対象品目となっています。
ただ同じバルプロ酸ナトリウムでも商品によって選定療養の対象にならない薬剤もあります。最新の対象医薬品情報は、厚生労働省のHPで確認できます。
後発医薬品への切り替えをすることで、患者さんの経済的な負担を減らすことができ、同時に国の医療費削減にも繋がります。
切り替えに際して薬の効果や副作用において大きな心配はないとされていますが、ご自身がお使いの薬については、かかりつけの医師にご相談ください。
薬剤部/千葉杏子 薬剤師