てんかんセンターニュース13

てんかんセンターニュース13

  1. TOP
  2. 患者の皆様へ
  3. てんかんを知るコラム&ニュース
  4. てんかんセンターニュース13

2022.3.30
3月25日のNCNPパープルデーイベントにおけるアンケート結果です。

3月25日(金)にNCNPでパープルデー(てんかん啓発の日)のイベントを行いました。
短い時間でしたが、多くの方に興味を持っていただきました。

スクリーンショット 2022-03-30 8.10.35.png
スクリーンショット 2022-03-30 8.10.44.png



アンケートには34名の方が参加してくださいました。ご協力ありがとうございました。
結果は下記になります。

スクリーンショット 2022-03-30 8.12.08.png

パープルデーをご存じない方も多く、来年も活動を続けていければと思っております。

今回のアンケート結果は私たちにとって大変興味深いものでした。まだまだ知られていないことなど発信していけたらと思います。

アンケートに対する医療者からのコメント集

Q2 「高齢になってからてんかんを発症することはない?」 
~医師から~
てんかんはあらゆる年代で発症する疾患ですが、高齢者では小児以上に発症率が高くなっています。高齢発症のてんかん患者さんでは、一見認知症のように見える状態が実は発作だったということが多くあります。てんかんでは症状に時間的変動があること(認知症のように見える時とそうでない時がある)が認知症と異なります。

Q3 「発作が止まっていると、自立支援医療制度はうけられない?」
~ソーシャルワーカーから~
精神科に限らず、小児科、脳神経内科、脳神経外科などに通院している方が利用することのできる制度となります。てんかん発作がおさまっていても、再発予防のための投薬中、投薬終了後の診療や検査にも適応があります。

Q4 「薬をやめられないと自動車運転はできない?」
~医師から~
薬を内服していても、発作が一定期間抑制されれば運転(職業運転を除く)は可能です。発作が運転に支障のない症状や、睡眠中に限定される場合は、発作が残っていても運転が可能な場合があります。

Q5 「てんかんの手術は最後の手段?」
~医師から~
手術は最後の手段ではありません。手術はあらゆるタイミングで考えられる治療方法の一つであり、患者さんの状態によって手術が良いのか薬が良いのか、あるいはケトン食やステロイドが良いのかを個別に考える必要があります。

Q6 「抗てんかん薬の副作用かなと思う症状がある」 
~薬剤師から~
抗てんかん薬の代表的な副作用には眠気やふらつきなどがあります。そのほかはイライラするなど気持ちの面にも影響が出ることがあります。発作が出ていなくても、上記のような副作用によって日常生活に支障が出ている場合は、お薬の調整が必要になることもあるのでご相談ください。

Q7 「てんかんの「治験」に興味がある」 
~治験コーディネータ(CRC)から~
「治験」は、新しいお薬が厚生労働省から承認されることを目的として、「くすりの候補」の効果や副作用などを確認しています。当院でも、てんかんの患者さんを対象とした治験を行っています。発作の種類や年齢などの基準、来院日程などの規定がありますので主治医の先生にご相談ください。

Q8 「てんかんに対するケトン食療法を知っている?」 
~医師から~
難治なてんかんに対して、ケトン食療法が適応になり、一部の患者さんで、てんかん発作の減少・消失などの効果の報告があります。糖質(炭水化物など)を抑える食事になり、低血糖などのリスクもあるため医師の指示の上、入院での導入が基本となります。

Q9 「てんかんがあると学校で活動制限が必要になる?」 
~医師から~
てんかんが起きやすい時間、発作の形なども考慮しますが、基本的には「てんかんがあるからプールは入ってはいけないよ」「宿泊にはいけないよ」ということはありません。学校生活や発達の中での刺激や活動の幅を広げることも大事です。具体的には主治医の先生と相談しましょう。

Q10 「最後に、パープルデーをご存じでしたか?」 
カナダ住む女の子が始めた運動で、3月26日をてんかん啓発の日として、世界各国の人が、てんかんをもつ人への応援のメッセージを込めて「紫色のもの」を身につけます。各地でてんかんの勉強会などイベントが催されます。