キャリア支援
はじめて働く病院としても安心の教育プログラムとNCNP病院で看護を長く続ける支援
教育目的・目標
教育目的
- 各職種に応じた臨床実践能力を育成する。
- NCNPの職員としての品格ある行動ができる態度を育成する。
教育目標
■看護師 教育目標
- 患者・家族の人権を尊重し、倫理的配慮ができる態度を育成する
- 看護を科学的に捉える視点を持ち、看護実践に役立てることができる看護師を育成する
・専門的知識と看護の技術に優れた看護師の育成
・根拠のある看護が実践できる看護師の育成
・患者および家族の安全と安楽を確保し、質の高い看護が提供できる看護師の育成 - チームの中でよりよい人間関係の確立ができ、多職種医療を推進できる看護師を育成する
- 自己研鑽を積み重ねることで成長・成熟し、看護に魅力を感じることができる看護師を育成する
- 国内外の医療情勢を踏まえた広い視野に立ち、総合的な判断や意思決定ができる看護師を育成する
- 臨床研究を推進し、質の高い看護を社会に情報発信できる看護師を育成する
■介護職員・看護助手・クラーク 教育目標
- 患者・家族の人権を尊重し、倫理的配慮ができる態度を育成する
- 患者・家族の安全と安楽を担保する業務実践力を育成する
看護部教育モデル図
■教育モデル図

■ベーシックコース(クリニカルラダー)
看護部では、臨床看護実践に必要な力を、①看護ケアの展開ができる力(看護課程展開・コミュニケーション) ②看護を管理する力(看護管理) ③役割を遂行できる力(役割遂行) ④倫理的判断ができる思考力(看護倫理) ⑤患者に対する生活指導等企画実施できる力、また自己研鑚できる自己教育力(指導・教育) ⑥看護実践の中で生じる問題や課題を解決する力(看護研究) の6項目とし、それぞれの能力を段階的に育成していきます。
これら6つの看護実践力をそれぞれ4段階で育成することとし、1段階ごとの目標を設定しており、この4段階で形成される教育を「ベーシックコース」として支援し、クリニカルラダーを構築しています。

看護技術研修の様子


■キャリアコース
4段階以降は各自のキャリアを支援する目的で、「キャリアコース」としています。キャリアコースは「エキスパートコース」「マネジメントコース」「スペシャリストコース」の3つのコースでキャリア支援をしています。
また、全体の研修支援として臨床教育研修があり、精神看護領域、神経・筋疾患看護領域の専門的知識・技術を個々の目標に応じて学ぶことができます。
ベーシックコース 1段階研修
1段階研修は、4月~5月にモデルなどを用いた看護技術研修を行い、1か月に1回程度の研修があります。看護として勤務していくために必要な基本的なスキルを網羅した内容となっています。
■1段階研修プログラム
研修テーマ | 目的 | 教育内容 |
・センターの概要、病院組織、 看護部の理念、看護部 教育について ・専門職看護師としての 職業倫理と責務 ・職業人としての接遇 ・感染防止、医療安全 ・精神保健福祉法 ・病院経営の考え方 ・看護過程の展開・看護記録 ・人権擁護、インフォームドコンセント ・CVPPP ・BLS ・安全に行う身体的拘束 |
1 専門職業人としての自覚を養い早期に職場適応する 2 センターの組織を理解し医療チームへの参加意識、業務に対する意欲、自主性、責任感を育成する 3 患者の人権擁護について理解できる 4 I・Cの必要性について理解できる |
専門職としての基本的態度 センター・病院・看護部・所属部理念の理解 看護部目標と自己目標 看護職者の責任 |
看護技術に自信をもって実践に活かそう <吸引・採血・手指衛生ガウンテクニック> |
看護の基本的な知識・技術を身につける | 原理・原則に基づいた看護技術 ・吸引(口腔・鼻腔・気管内) ・静脈血採血 ・手指衛生・ガウンテクニック |
看護技術に自信をもって実践に活かそう <輸液ポンプ・シリンジポンプ・急変時の行動・点滴セットの使用方法> |
看護の基本的な知識・技術を身につける | 原理・原則に基づいた看護技術 ・輸液ポンプ・シリンジポンプ ・点滴セット、操作方法 ・コミュニケーションの基本的技術 ・チームメンバーとしてのコミュニケーションのあり方 |
心電図の基礎 正しい食事介助 |
看護の基本的な知識・技術を身につける | 原理・原則に基づいた看護技術 ・心電図モニター ・食事介助の看護技術 |
さっそく現場で実践したくなる フィジカルアセスメント |
フィジカルアセスメントの知識・技術を身につける | 原理・原則に基づいた看護技術 ・フィジカルアセスメント |
フォローアップ研修 | 様々な悩みの共有、自己の成長の確認をしながら、行動改善やストレスの軽減を図る 病院に携わる病棟以外の部署や職員を知ることで、センターの組織を理解する |
自己洞察 メンバーシップ 看護者の役割 多職種医療 |
考えてみよう!看護と倫理 | 日常の看護業務において、倫理的に考える方法を知る | 看護職者の責任 倫理原則 ・倫理的思考をもった行動 臨床現場における倫理 ・患者を尊重した行動・アドボカシー・ケアリング 患者・家族とのコミュニケーションのあり方、倫理的視点 ・報告・連絡・相談の必要性と方法 ・多重業務時の応援方法 |
恐れるな!多重業務 | 1 業務が重なった場合の安全を配慮した判断と行動を学ぶ 2 メンバー間の協力の必要性が理解できる |
患者・家族とのコミュニケーションのあり方、倫理的視点 ・報告・連絡・相談の必要性と方法 ・多重業務時の応援方法 マニュアルに沿った看護技術 多重業務時の優先順位決定の考え方 部署内での協力 業務時間のマネージメント |
自分の看護を振り返ろう | 看護師としての自己の学びを振り返り、次年度の課題を考える | チームメンバーとしてのコミュニケーションのあり方 患者・家族とのコミュニケーションのあり方、倫理的視点 ・報告・連絡・相談の必要性と方法 ・多重業務時の応援方法 部署内での協力 業務時間のマネージメント 看護職者の責任 倫理原則 ・倫理的思考をもった行動 臨床現場における倫理 ・患者を尊重した行動・アドボカシー・ケアリング 自己学習の推進 自己課題の明確化の必要性と取り組み |
静脈注射コースⅠ |
静脈注射における当院の基準を認識し、安全に実施できる | 看護業務と法的責任 医師の指示と看護行為 インフォームドコンセント 薬剤の知識と管理 静脈注射の基本的知識 静脈注射の合併症の種類 感染管理 |
看護記録研修Ⅰ *1段階必須 |
看護診断の基礎を学び、実践記録ができる | 看護記録の基本的な知識 看護必要度評価について |
看護診断研修Ⅰ *1段階必須 |
看護診断の基礎知識・看護診断の立案方法事例検討 目標・計画・実践・評価の妥当性の検討 |
ベーシックコース 2段階研修
2段階研修はメンバーシップ、リーダーシップを学び、看護チームの中で1人の看護師として自律的に行動していくためのスキルを学んだり、コミュニケーション技法や看護倫理など患者様を中心とした対象に合わせた看護展開をしていく能力を高めるための研修を企画しています。
■2段階研修プログラム
研修テーマ | 目的 | 教育内容 |
自分の看護を見つめて みよう |
対象を理解し、患者・家族の人権を尊重した看護が提供できるためのスキルを身につけることができる | 倫理綱領に基づいた看護ケア 倫理的視点を踏まえた患者・家族との関わり方 倫理綱領と看護実践 臨床における看護倫理の問題 |
チームで看護をしよう | メンバーシップ・リーダーシップの基礎を学び、看護チームの一員として役割が発揮できる | メンバーシップ・リーダーシップの基礎知識と実践方法 役割モデルとは ・メンバーシップ・リーダーシップ |
コミュニケーションセミナー | コミュニケーションの基本的技術を学び、看護実践の中で活用できる | コミュニケーション技法 |
自分の看護を振り返ろう | プライマリーナースとして看護実践能力を養う | プラーマリーナースとしての看護の振り返りを通した看護観の発表 |
ベーシックコース 3段階研修
3段階研修では、所属部署内でリーダーシップを発揮するための技術としてコーチング技術を学習します。研修で学習したコーチング技術を所属部署内で実践し、その結果を報告する研修を企画しています。また経営的視点や近年の保健医療行政の動向など看護管理の基礎となる内容についても学ぶ研修が企画しています。
■3段階研修プログラム
研修テーマ | 目的 | 教育内容 |
リーダーシップを発揮するためにコーチング技術を身につけよう | 1 2段階で学んだリーダーシップについて再確認し、自己の役割の中でのリーダーシップについて計画することができる 2 役割モデルとして効果的な指導方法を身につける |
コーチングの知識と実践方法 リーダーシップの実践 後輩・学生の指導方法と評価 コーチング技術を活かした指導 |
リーダーシップを発揮するためにコーチング技術を身につけよう | 1 看護チームにおけるリーダーシップを理解し、リーダーとしての役割を発揮できる 2 コーチングの技術を活かすことができる |
コーチングの知識と実践方法 リーダーシップの実践 後輩・学生の指導方法と評価 コーチング技術を活かした指導 |
経営状況と看護部の課題を理解する 地域包括ケアシステムを知ろう |
当院の経営状況が理解できる。 当院を取り巻く地域包括ケアシステムを理解できる。 |
経営方針の理解と改善に向けた取り組み 当院の経営状況のクリティークと看護部の課題 地域包括ケアシステム概論 当院で行われている地域包括ケアシステムの一例 私たちの看護と診療報酬 当院経営状況と改善の取り組み |
ベーシックコース 4段階研修
ベーシックコース 4段階研修
4段階研修はベーシックコースの最終段階になります。所属部署内で指導的な立場を担い、部署の課題の発見、分析、解決にむけて他の職員と共に取り組むための問題解決技法を学びます。実際に所属部署内での課題の検討や分析を行い、解決にむけた取り組みを所属部署内で年間を通して実践し、報告する研修などが企画しています。
■4段階研修プログラム
研修テーマ | 目的 | 教育内容 |
問題解決技法~SWOTクロス分析を学ぶ | 質の高い看護実践と指導的役割を果たし、SWOTクロス分析を理解できる | 経営方針の理解と改善に向けた取り組み 当院の経営状況のクリティークと看護部の課題 問題解決技法とは センターの計画に則った部署目標立案の参加 目標達成に向けた具体的行動計画の立て方 |
SWOTクロス分析を自部署の課題に活用できる | SWOTクロス分析の理解を深め、問題解決の計画につなげることができる | 経営方針の理解と改善に向けた取り組み 当院の経営状況のクリティークと看護部の課題 問題解決技法とは センターの計画に則った部署目標立案の参加 目標達成に向けた具体的行動計画の立て方 |
SWOT・クロス分析を活用し、病棟内で問題解決したことを発表しよう | 看護の専門職の視点から問題をSWOT・クロス分析で洗い出し、問題解決を実践したことを報告することができる | 問題解決の実践と発表 |
キャリアコースとは
看護部教育でクリニカルラダー教育のベーシックコースを修了した看護師には、各自のキャリアを支援するキャリアコースとして「エキスパートコース」「マネジメントコース」「スペシャリストコース」の3つのコースがあります。
また、クリニカルラダー教育に関わらず、「臨床教育研修」として精神看護領域、神経・筋疾患看護領域の専門的知識・技術を個々の目標に応じて学びを支援しています。
エキスパートコース
■エキスパートコースとは
精神看護領域、神経・筋疾患看護領域の両領域においてエキスパートを目指すコースです。エキスパートコースでは、両分野での専門性の発揮、管理・教育でのモデルを目指します。
■コース該当研修
- 院内研修である専門研修(精神、神経・筋・重心)
- CVPPPトレーナー養成研修
- 実習指導者講習会
- DPATに関する研修
- リンクナースとしての学習
- 研究推進部会の研究支援
- 看護師長シャドーイング研修
- 幹部看護師任用候補者選考試験に係る研修 等
マネジメントコース
■マネジメントコースとは
看護管理者の養成、及び看護管理者のスキルアップを目指すコースです。
■コース該当研修
- 幹部看護師任用候補者選考試験に係る研修
- 看護師長シャドーイング研修
- 実習指導者講習会
- DPATに関する研修
- 副看護師長研修
- 看護師長研修
- 人材スキル研修 等
スペシャリストコース
■スペシャリストコースとは
日本看護協会における認定看護師や専門看護師を目指すコースです。
看護協会看護研修(認定看護師)や大学院進学(専門看護師)研修受講を支援します。また認定等の資格取得後のスキルアップや更新に向けた支援を行います。
■コース支援内容
- 研究休職制度
- 自己啓発休職制度
臨床教育研修
患者・家族に対しNCNPが目指す質の高い看護を提供するため、専門性の高い看護師を育成することを目的とした研修です。専門的知識・技術を個々の目標に応じて学ぶことができます。
下記は、令和元年度「臨床研修」の内容です。
日時・場所 |
タイトル・講師 |
4月19日(金) 17:45-18:45 教育研修棟小会議室 |
「精神保健福祉法の運用の実際」 講師:佐伯 精神看護専門看護師 |
5月17日(金) 17:45-19:00 教育研修棟小会議室 |
「できるかな?患者さんのこころをつかむコミュニケーション」 講師:院内行動制限最小化スキルナース 4北病棟 來次 看護師 西岡 看護師 5南病棟 小林 看護師 |
6月7日(金) 17:45-19:00 中央館3階 コスモホール |
「パーキンソン病患者の看護」 講師:三好 慢性疾患専門看護師 |
6月13日(木) 17:45-19:00 新棟2階 第2会議室 |
「病棟で出会う耐性菌の感染管理」 講師:德永 感染管理認定看護師 |
6月14日(金) 17:45-19:00 教育研修棟小会議室 |
「うつ病の看護におけるリカバリーについて」 講師:5南病棟 看護師 |
7月10日(水) 17:45-19:00 教育研修棟 ユニバーサルホール1 |
「薬物依存症の治療とリカバリーに向けた支援について」 講師:精神保健研究所 薬物依存研究部 部長 松本 俊彦 先生 |
7月17日(水) 17:45-19:00 中央館3階 コスモホール |
「老年看護学実習に備える!老年看護(老化と認知症)」 講師:野﨑 認知症看護認定看護師 |
7月19日(金) 17:45-19:00 教育研修棟小会議室 |
「アサーションスキル・トレーニング~入門編~」 講師:5北病棟 西元 看護師 |
9月11日(水) 17:45-19:00 中央館3階 コスモホール |
認知症ケア「看護師が作り出しているかも!?BPSD(行動・心理症状)」 講師:野﨑 認知症看護認定看護師 |
9月13日(金) 17:45-19:00 中央館1階第3会議室 |
精神科看護事例検討会① |
10月11日(金) 17:45-19:00 中央館3階 コスモホール |
「薬物依存症のリハビリテーション~SMARPPについて~」 講師:8病棟 上野 看護師 |
11月8日(金) 17:45-19:00 教育研修棟小会議室 |
看護師さんのためのお薬教室① 「精神科で使われる薬についてくわしく知ろう~統合失調症編~」 講師:薬剤部 薬剤師 |
12月13日(金) 17:45-19:00 教育研修棟小会議室 |
看護師さんのためのお薬教室② 「脳神経内科で使われる薬についてくわしく知ろう~パーキンソン病編~」 講師:薬剤部 薬剤師 |
1月10日(金) 17:45-19:00 中央館1階第3会議室 |
精神科看護事例検討会② |
2月14日(金) 17:45-19:00 教育研修棟小会議室 |
「精神疾患を持つ人のリカバリーに向けた支援~WRAPについて~」 講師:4北病棟 中島 副看護師長 |