精神神経疾患の治療において、薬は大きな役割を果たしています。 精神神経疾患の多くではその病態メカニズムが解明されていませんが、薬という化学物質がどのように治療効果を発揮するのかを調べることで、病態メカニズムやひいては脳機能メカニズムの分子レベルでの解明に繋がってきています。一方、薬には副作用があり薬の感受性には個人差があるので、治療薬を適正に使用するためには薬理学的な研究が欠かせません。また、治療薬がまだ無い精神神経疾患も多く、治療薬があっても効果が限定的な場合も多いので、 新規治療薬の開発が求められています。
精神薬理研究部では、分子精神薬理研究室と向精神薬研究開発室を設置して、①精神神経疾患治療薬の作用機序の研究、
②精神神経疾患治療薬の適正使用に資する研究、③精神神経疾患治療薬の新規開発研究に取り組んでいます。
また、上記の取り組みと関係する全国の産官学における研究が発展するように当該領域の研究基盤を整備して、 精神神経疾患治療薬の適正使用と新規開発において日本が世界に貢献することを目指しています。