About Us
精神薬理研究部へようこそ!

精神神経疾患の治療において、薬は大きな役割を果たしています。精神神経疾患の多くではその病態メカニズムが解明されていませんが、薬という化学物質がどのように治療効果を発揮するのかを調べることで、病態メカニズムやひいては脳機能メカニズムの分子レベルでの解明に繋がってきています。一方、薬には副作用があり薬の感受性には個人差があるので、治療薬を適正に使用するためは薬理学的な研究が欠かせません。また、治療薬がまだ無い精神神経疾患も多く、治療薬があっても効果が限定的な場合も多いので、新規治療薬の開発が求められています。

精神薬理研究部では、分子精神薬理研究室と向精神薬研究開発室を設置して、①精神神経疾患治療薬の作用機序の研究、②精神神経疾患治療薬の適正使用に資する研究、③精神神経疾患治療薬の新規開発研究に取り組んでいます。また、上記の取り組みと関係する全国の産官学における研究が発展するように当該領域の研究基盤を整備して、精神神経疾患治療薬の適正使用と新規開発において日本が世界に貢献することを目指しています。



Coming Soon
CINP-AsCNP 2025 Joint Congress (June 15-18, 2025)
Melbourne Convention and Exhibition Centre
image002
The International Neuropsychopharmacological Society (CINP)


最近の研究内容
Topics


2024.9.25
研究成果を発表しました。
Molecular Pain: "rs12411980 single-nucleotide polymorphism related to PRTFDC1 expression is significantly associated with phantom tooth pain"

Molecular Sciences
: "TMEM132C rs7296262 Single-Nucleotide Polymorphism Is Significantly Associated with Nausea Induced by Opioids Administered for Cancer Pain and Postoperative Pain"

bioengineering: "Formation and Long-Term Culture of hiPSC-Derived Sensory Nerve Organoids Using Microfluidic Devices"

γ-Aminobutyric acid type A receptor β1 subunit gene polymorphisms are associated with the sedative and amnesic effects of midazolam. Yoshihiko Kosaki; Daisuke Nishizawa; Junko Hasegawa; Kaori Yoshida; Kazutaka Ikeda; Tatsuya Ichinohe. Molecular Brain, in press.

Dietary Habits and Genetic Susceptibility: Correlations between Nutritional Intake and Genetic Risks for Schizophrenia and Bipolar Disorder. Daisuke Nishizawa, Taiga Saito, Taichi Goto, Itsuki Kubota, Tomoya Shinoda, Daisuke Fujikane, Junko Hasegawa, Naomi Sato, Fumihiko Tanioka, Haruhiko Sugimura, Kazutaka Ikeda, Toshiki Shioiri. Translational Psychiatry, in press.

 

総説
Current Opinion in Neurobiology: "Caenorhabditis elegans for opioid addiction research"
眼薬理 38(1) 7-10 2024830  





2024.8.3
池田部長が世界脳週間2024@国立精神・神経医療研究センターにおいて講演を行いました。
noushukan_2024_jpg

2024.8.1
西澤大輔(室長)・中山京子(研究補助員)がメンバーに加わりました。


2024.7.27
池田部長がTaiwanese Society of Addictionにおいて講演を行いました。


2024.7.24-27
NEURO2024に参加し、研究成果を発表しました。


2024.7.19
森屋由紀(リサーチ・フェロー)・が「第17回 資生堂 女性研究者サイエンスグラント」を受賞しました。
資生堂1

2024.6.1
森屋由紀(リサーチ・フェロー)・田巻舞(研究補助員)がメンバーに加わりました。


2024.5.23-26

約2600名にご参加いただき、CINP/JSNP/JSCNP2024が無事終了いたしました。

35th WORLD CONGRESS
World Congress Collegium Internationale
Neuro-Psychopharmacologicum
May 23–26, 2024 | Tokyo International Forum


0414_CINP2024_image IMG_4497 IMG_4499 IMG_4506



2024.4.30
三輪室長と長崎大・医科薬理学・有賀純先生との共同研究がFrontiers in Molecular Neuroscience誌に掲載されました。
"Slitrk4 is required for the development of inhibitory neurons in the fear memory circuit of the lateral amygdala"



2024.4.13

6NCリトリート2024に参加し、リサーチフェローの上條さんが本部長賞を受賞しました。
kamijo1 kamijo2

2024.4.1
池田和隆 部長が着任しました。
media-1

RP58/ZBTB18ハプロ不全による知的障害モデルマウスに関する研究
Hirai Sayaka, Miwa Hideki, Shimbo Hiroko,Nakajima Keisuke, Kondo Masahiro, Tanaka Tomoko, Ohtaka-Maruyama Chiaki, Hirai Shinobu, Okado Haruo: The mouse model of intellectual disability by ZBTB18/RP58 haploinsufficiency shows cognitive dysfunction with synaptic impairment. 
Mol Psychiatry. 2023 Feb 1. doi: 10.1038/s41380-023-01941-3. 
RP58/ZBTB18 ハプロ不全による知的障害の病理機序を明らかにするため、 RP58/ZBTB18 ハプロ不全のモデル動物として、RP58 ヘテロ欠損マウスを作製・解析 し、脳梁形成不全、知的障害様行動、シナプス可塑性特性の変化、グルタミン酸受容 体発現量の変化、スパイン形態異常を明らかにし、RP58/ZBTB18 ハプロ不全の原因と して興奮性シナプスの障害である可能性が示唆された (プレスリリース). RP58 プレスリリース

統合失調症のGABA神経仮説に関する研究
Miwa H, et al.
GAD67-mediated GABA Synthesis and Signaling Impinges on Directing Basket Cell Axonal Projections Toward Purkinje Cells in the Cerebellum.
The Cerebellum. 21: 905-919, 2022
GABAは統合失調症、てんかん、不安症、抗GAD抗体関連脳症など様々な精神神経疾患に関与することが報告されている。また、GABAは発達期において栄養因子として作用する可能性も報告されているが、小脳の発達・成熟における役割は不明な点が多い。そこで本研究では、協調運動やバランス調整など小脳に関連する機能に関して、小脳神経回路形成過程におけるGABAシグナルの影響を明らかにするため、GAD65遺伝子欠損マウスやパルブアルブミン陽性GABA作動性ニューロン特異的GAD67遺伝子欠損マウスを用いて解析を行った。その結果、小脳バスケット細胞の軸索側枝上のKチャネルサブユニットKv1.1の局在異常、軸索投射走行の異常およびシナプス伝達特性の変化を観察した。さらに、パルブアルブミン陽性細胞特異的GAD67遺伝子欠損マウスはロタロッド試験における運動協調機能障害を示した。これらの結果から、小脳におけるGABAシグナル経路はバスケット細胞の適切な神経回路形成およびそれに関連する運動協調機能に関して、重要な役割を担うことが示唆された。
12311