メンバー紹介

部長
関 和彦
Kazuhiko Seki
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経歴(略歴)

新潟大学教育学部卒,筑波大学医学系大学院博士課程修了,医学博士。
国際武道大講師,米国Washington大学客員研究員,自然科学研究機構 生理学研究所,平成21年10月から現職。平成20年~27年 JSTさきがけ研究者(兼任)。
専攻:神経生理学,運動生理学。

研究内容

私は研究者を志してから現在まで、「運動制御の神経機構」に関心を持って研究を行ってきた。第一に随意筋力の調節機構を主に筋電図学的手法を用いて調べる研究である。ヒトを対象に、表面筋電図や筋内電極を用いて運動単位活動電位を記録・分析して、背景にある神経系の筋力制御機構を調べてきた。第二にリズミック運動の制御に関わる脊髄介在ニューロンの機能を電気生理学的手法を用いて調べる研究である。除脳無麻酔ネコ標本の前肢筋神経に歩行様リズム活動を誘発し、それらの生成機構を細胞内・細胞外記録法を用いて調べてきた。シアトル留学時から現在までは、随意運動の制御における脊髄神経回路の機能を、覚醒行動下のサルを対象とした電気生理学的手法を用いて調べる研究を行っている。サルの下位頚髄部に記録用チェインバーを装着し、様々な上肢運動をあらかじめサルに訓練し、その際の脊髄介在ニューロンの活動を下位頚髄から記録する。またそれらへの入出力をニューロンを末梢・下降路への電気刺激や筋電図のSpike trigger Averaging法などによって同定している。過去1世紀の間、膨大な知見が蓄積されてきた脊髄に関連した神経回路は、果たして随意運動の制御にどんな役割を持っているのか?このクェッションに確固とした実験データに基づいた知見を提供し続けてゆきたい。また、このようにして得られた知見が工学や臨床医学を含めた学際分野に還元できることをやはり確固とした実験データに基づいて証明してゆきたい。

研究業績

競争的資金

  • NICT 国際共同研究プログラムに基づく日米連携による脳情報通信研究 (第4回)令和3~6年(2021-2024)
  • AMED(革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト)平成26~30年(2014-2018), 令和1~5年(2019-2023)
  • AMED(脳科学研究戦略推進プログラム)平成28~29年(2016-2017)
  • AMED(創薬基盤推進研究事業)(TG) 平成26~28年(2014-2016)
  • AMED(難治性疾患実用化研究事業)平成29~31年(2017-2019), 令和3~5年(2021~2023)
  • 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成23~24年(2011~2012), 平成26~30年(2014~2018),令和1~5年(2019-2023)
  • 科学研究費補助金 基盤研究(A) 平成26~29年(2014~2017),令和1~4年(2019~2022)
  • 学術研究助成基金助成金(挑戦的萌芽研究) 平成25~26年(2013~2014),令和1~2年(2019~2020)
  • H30鈴木謙三記念医科学応用研究財団
  • H30上原記念生命科学財団
  • 精神・神経疾患研究開発費 平成29~31年(2017~2019),平成26~28年(2014~2016),平成29~31年(2017~2019), 令和2~4年(2020~2022)
  • 精神・神経疾患研究開発費(26-短期) 平成26年(2014)
  • 科学研究費補助金 基盤研究(B) 平成20年~22年(2008~2010), 平成23~25年(2011~2013)
  • 精神・神経研究開発費 平成23~25年,平成24年
  • 科学技術振興機構 さきがけ 平成20年~27年(2008~2015)

自己紹介

大学院(筑波大学)を卒業後、シアトル(ワシントン大学)で3年間・岡崎(生理学研究所)で8年間過ごし、2009年より精神・神経医療研究センターでラボを立ち上げる事になりました。シアトルではEberhard Fetz教授のラボのポスドクとして多くの友人に恵まれ、彼らと一緒に研究だけでなくPacific Northwest特有の大自然を謳歌いたしました。岡崎では伊佐正教授のラボの助手(のち助教)として、脊髄慢性記録系の立ち上げに専念する一方、生理研での多くの研究会・セミナーなどを通じて多くの方々の影響を受けました。今後は研究活動内外を通じて、一人でも多くの方によい影響を与えられるようなラボを目指してゆきたいと思います。みなさんよろしくお願いいたします。