睡眠・覚醒障害研究部 内海智博リサーチフェローが第120回日本精神神経学会にて、 海外学会発表賞を受賞し表彰されました!

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国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
2024.7.3

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長: 中込和幸)精神保健研究所(所長:張賢徳)睡眠・覚醒障害研究部(部長:栗山健一)内海 智博リサーチフェローが、SLEEP 2023, the 37th annual meeting of the Associated Professional Sleep Societies(米国睡眠学会)で行った発表が、2023 年度日本精神神経学会 国際学会発表賞(個人発表部門)を受賞し、第 120 回日本精神神経学会総会(2024 年 6 月 21 日:札幌コンベンションセンター)で表彰されました。

発表テーマ
Association of Subjective-Objective Discrepancy in Sleep Duration with All-Cause Mortality in Community-Dwelling Older Men

発表概要
 一般高齢男性を対象とした米国多機関コホート研究のデータを用い、脳波計などを用い て客観的に計測する睡眠時間よりも、主観的に睡眠時間を長く見積もる(睡眠時間の過大評 価)ことが健康を損なう危険因子となる可能性を報告しました。 これまでの研究では主に、不眠症の特徴の一つである、客観的に計測する睡眠時間よりも 主観的な睡眠時間を過小評価することの病的意義に焦点をあてた研究が多く報告されてい ますが、一般的には睡眠時間はむしろ過大評価される傾向が強く、本研究では過大評価から 過小評価まですべてを含む、睡眠時間の主観-客観乖離と将来の健康転帰との関連を検討 しました。 その結果、睡眠時間の過小評価よりむしろ、睡眠時間を過大評価することが、高齢男性に おける総死亡の危険因子となることが分かりました。そして、この睡眠時間の主観-客観乖 離は、臨床および公衆衛生学上重要な健康予測指標となる可能性があることから、今後は睡 眠時間の主観-客観乖離の背景に存在する生理学的メカニズムの研究をさらに推進する必要性があります。

参考リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36333394/
Utsumi T, Yoshiike T, Kaneita Y, Aritake-Okada S, Matsui K, Nagao K, Saitoh K, Otsuki R, Shigeta M, Suzuki M, Kuriyama K. The association between subjective-objective discrepancies in sleep duration and mortality in older men. Sci Rep. 2022 Nov 4;12(1):18650. doi: 10.1038/s41598-022-22065-8.