ゲノム医療の実現へ

ゲノム医療の実現へ

メディカル・ゲノムセンターは、患者由来のバイオリソースを用いたゲノム解析研究を中核に、
研究所と連携してゲノム医学を、病院遺伝子検査診断室・遺伝カウンセリング室と連携して
ゲノム医療を推進しています。

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MGC(メディカル・ゲノムセンター)後藤 雄一センター長

遺伝子・ゲノムを
研究する意味は?

IRUD診断委員会(オンライン開催)の様子

 私たちの身体は60兆個の細胞でできており、すべて細胞には約30億の塩基情報からなるゲノムがあります。ゲノムには、タンパク質の設計図である遺伝子の情報とともに、どの細胞で、いつ、どれくらいのタンパク質を作るかを調整する情報も含まれています。脳や神経のできかたやはたらきの変化でおきる精神・神経の病気をはじめ、がんや感染症などいろいろな病気の原因や成り立ちをゲノムや遺伝子から理解しようとしています。
 近年、ゲノム・遺伝子を調べる方法が飛躍的に進歩しています。精神・神経の病気は原因も治療法も不明なもの(時に難病と言われます)が数多く残っており、それらの病気の診断と研究にゲノム情報が有用な証拠やヒントを与えてくれます。オールジャパンで行われている未診断疾患(IRUD)研究は、そのようなゲノム疾患研究の代表的なものです。

遺伝カウンセリングの重要性

 ゲノム・遺伝子情報が病気の診断に利用されるのはとてもすばらしいことですが、一方で、家族のリスクがわかったり、まだ病気になっていない前に別の病気の診断がついたりすることもあり得ます。そのために、ゲノム・遺伝子検査を行う目的とその結果でわかること、わからないことを、検査前に十分理解していただく必要があります。また、結果を踏まえて、自分や家族などの大切な人にどのように影響するかをしっかり考えることが重要になります。このような医療を遺伝カウンセリングといい、当院では専門医師と遺伝カウンセラーが対応しています。毎年、テーマを変えてセミナーを主催し(2019年度はミトコンドリア病)、全国の医療関係者に対して、疾患の最新情報提供とロールプレイ実習を行っています。

遺伝カウンセリング風景

遺伝カウンセリングセミナーの様子

ゲノム医療
―ゲノム情報から
迅速な診断と
最適な治療を

 MGCでは、筋ジストロフィーなどの遺伝性筋疾患、ミトコンドリア病、知的障害、てんかんなどでゲノム・遺伝子研究を行うとともに、主に遺伝性筋疾患の診断サービスを行っています。2019年度は筋疾患パネル検査338件、エクソーム解析111件、全ゲノム解析177件などを実施し、全国の大学病院等からの依頼に対応しています。
 また、2019年4月より、病院に「臨床ゲノム外来(IRUD外来)」を開設し、脊髄小脳変性症や家族性プリオン病等の診断にあたっています。難病ゲノム医療の開始が着実に近づいており、MGCはその中核として活動する準備をしています。 2021年度中にMGC内に衛生検査所を開設する予定です。

臨床ゲノム外来(IRUD外来)とゲノム・遺伝子検査体制

研究部紹介

MGC(メディカル・ゲノムセンター)