末梢神経障害・ニューロパチー

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末梢神経障害・ニューロパチーとは

神経は中枢神経と末梢神経に分かれます。脳と脊髄をあわせて中枢神経とよび、中枢神経から枝分かれしている神経が末梢神経になります。末梢神経は中枢神経と、体中の様々な部分とをつないでいます。末梢神経障害・ニューロパチーとは、この末梢神経が壊れ、その働きが悪くなっている状態を示す言葉です。糖尿病やアルコール多飲によるもの、病原体(細菌やウイルスなど)の感染によるもの、癌などの悪性腫瘍にともなうもの、遺伝するものなど、その原因は多岐にわたります。原因を明らかにして、適切な治療を行うことで、症状を軽減/治癒させる、あるいは症状の悪化を止めることができる場合があります。

末梢神経障害・ニューロパチーの症状

末梢神経障害の症状は多彩です。

  • 力が弱くなる
  • 感覚が鈍くなる(※感覚にはいわゆる視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感以外にも痛覚、温度覚、振動覚、位置覚などがあり、どの感覚が障害されるかで症状も異なります)
  • 痛みがある
  • 正座の後のようなビリビリとしたしびれ感がある
  • 発汗の調整ができなくなる

なおこれらの症状は中枢神経の障害でも生じることがあります。末梢神経の障害による症状なのか、中枢神経の障害による症状なのかを判断し、正確に診断をつけるには、詳しい経過や症状の分布についての情報が大切です(いつからどこに症状が出現したのか・どのくらい時間をかけて症状が出現したか・どのように症状がひろがっていったか・血縁者に同様症状があるか、など)。外来を初回受診する際には、これらの情報を医師に伝えられるように予めまとめておくとよいでしょう。

NCNP病院の診療科・専門疾病センター

末梢神経障害・ニューロパチーではどのような検査を行うのですか?

血液検査や電気生理学的検査(末梢神経伝導検査、体性誘発感覚電位、針筋電図)が一般的に行われます。中枢神経から末梢神経が枝分かれする部位での障害が疑われる場合には、脳や脊髄のMRIを撮像します。
遺伝性の疾患が強く疑われる場合は、ご本人の同意を得て(未成年や、ご本人に判断能力がない場合は代諾者の同意を得て)遺伝子検査を行うこともあります。
感覚神経の一部や皮膚をとってきて検査を行う「神経生検」や「皮膚生検」を行うこともあります。

末梢神経障害・ニューロパチーの治療法はあるのですか?

末梢神経障害の原因によっては神経の障害を回復させる、あるいは進行を抑制する治療法がある場合もあります。

例えば、

  • 炎症性あるいは免疫介在性の末梢神経障害:大量ガンマグロブリン静脈内投与、ステロイド、免疫抑制剤など
  • 手根管症候群などの圧迫による末梢神経障害:内服、装具、手術など
  • ビタミン類の不足による末梢神経障害:ビタミン剤の内服や注射
  • 糖尿病や膠原病や悪性腫瘍に伴う末梢神経障害:原疾患の治療を行います