痙性対麻痺
痙性対麻痺とは
痙性対麻痺とは、両下肢の筋緊張が亢進して(突っ張って)運動麻痺(自分で動かせない)がある状態のことで、脳や脊髄に問題がある場合に起こります。脳性麻痺や脊髄損傷、脊髄梗塞などが原因となるほか、生まれつきの遺伝子の変化で生じる遺伝性痙性対麻痺では、痙性対麻痺の症状が徐々に進行し筋力低下をきたします。遺伝性痙性対麻痺は、近年の解析技術の進歩により、60個以上の原因遺伝子が報告されており、細かく病型の分類が整理され、症状も多様です。治療として、現状ではリハビリテーションをはじめとする対症療法が中心ですが、新しい治療開発に発展すべく、原因遺伝子の研究が進んでいます。
痙性対麻痺の症状
痙性対麻痺は、両下肢の筋緊張が亢進して(突っ張って)運動麻痺(自分で動かせない)がある状態のことをいいます。遺伝性痙性対麻痺では、徐々に痙性対麻痺の症状が進行し、筋力低下をきたします。遺伝性痙性対麻痺では、痙性対麻痺の症状のみの場合と、以下に示すような末梢神経、小脳、大脳、耳、目の症状などほかの症状を合併する場合があります。
- 末梢神経の症状:温度や痛みがわからないといった感覚の異常、しびれなど
- 小脳の症状:手の震え、ぎこちない動き、ゆっくり話すなど
- 大脳の症状:知的障害、認知症、てんかんなど
- 耳や目の症状:難聴、視力低下など