
第36回
てんかんの診断に役立つ"睡眠時脳波"について
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2025.09.18
てんかんの診断に役立つ“睡眠時脳波”について
脳波検査は、てんかんの診断と治療に欠かせない検査です。特に、睡眠時の脳波は通常の覚醒時の検査では捉えきれない「てんかんの異常波」を検出できる可能性が高くなるため重要です。
なぜ睡眠中にてんかんの異常波が出やすいのか
睡眠中は覚醒時に比べて抑制性神経伝達物質の働きが変化し、興奮性の神経活動が相対的に優位になるため、睡眠中はてんかんの異常波が出やすいと言われています。また、入眠直後や起床前などの睡眠と覚醒の移行期は脳の状態が不安定になるため、てんかんの異常波や発作が出やすくなります。
睡眠脳波をとるためのコツ
検査をスムーズに行うために、少しだけ寝不足の状態で検査に臨むのをお勧めしています。脳波検査の前日は通常より1~2時間遅く寝て早めに起きること、前日の夜からカフェインの摂取などを控えること、検査前に食事をとること、リラックスできる持ち物を持参することなどが効果的です。
※もし睡眠脳波が必要であるにもかかわらず、うまく眠れない可能性が高い場合は医師が睡眠導入剤の使用を検討する場合もあります。
臨床検査部 淺野 太貴
関連リンク
●NCNP病院 臨床検査部
https://www.ncnp.go.jp/hospital/guide/sd/rinsho.html
●NCNPchannel(Youtube)子ども向け検査説明動画
「みきちゃんのあたまのおえかきたんけん(のうはけんさ)~おうちの人といっしょにみてね!こどものための検査説明動画 脳波検査 NCNP病院脳神経小児科~」
https://www.youtube.com/watch?v=Ost-pA0_9mA