第24回発作時の対応について

第24回
発作時の対応について

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2024.02.01
発作時の対応について

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てんかん発作が起きたら、安全の確保が第一となります。

ここでは①意識がある場合 ②意識がない場合 ③けいれんする場合(いわゆる「ひきつけ」も含む)に分けて考えます。

① 意識がある場合

多くの場合は、患者さん本人が危険を回避できるので、周囲の方々は見守るのみで大丈夫です。

② 意識がなくなる場合

動きが止まったり、不自然な行動をとったりすることがあります。周囲の方々は名前を呼ぶなど声掛けをして、意識があるか確認します。もし返事がない、あるいは明瞭でない場合、周囲の危険なもの(例えば、ハサミ、熱い飲み物の入ったコップなど)を片付けながら、時々声をかけ、意識の回復を待ちます。
ときにはゆっくりと倒れることがありますので、体勢を支えてあげるのも良いでしょう。
患者さん本人は発作の記憶がありませんので、回復後、発作があったことを伝えてあげましょう。

③ けいれんする発作

いわゆる「大発作」「ひきつけ」と言われる大きな発作の場合です。基本的には長くても数分で止まりますので、周囲の方々は慌てず落ち着きましょう。けいれん中、体をどこかにぶつけたり、転倒したりしないよう気をつけながら、けいれんが自然に止まるのを待ちます。口の中に何か入れる行為は危険ですのでやめましょう(以前は、舌を噛まないようにタオルなどを口に入れることが推奨されていましたが、現在は行いません)。 けいれんが終わったら、身体を横向きにして唾液や嘔吐物が外に出るようにします。ケガをしていないかチェックしましょう。

特に②③の発作では、発作の後、完全に意識が回復するまでに時間がかかり、その間、ぼんやりとして動き回ってしまうことがあります(発作後もうろう状態)。そのようなとき、体を強く押さえ込んだりしてしまうと、思わぬ反応がみられることがありますので、安全に配慮しながら、可能な範囲で自由に動き回ってもらう方が良いでしょう。

発作があっても、基本的には病院を受診する必要はありませんが、発作が5分以上続く、あるいは回復しないまま発作を短時間で繰り返す場合=てんかん重積状態にあたる場合には速やかな受診をご検討ください。
※「てんかん重積」については、 第23回 「てんかん重積」とは? をご参照ください。
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/special/epilepsy-column_23.html

以上が基本的な発作時の対応です。これらの発作が起こった場合については、あらかじめ主治医と相談しておくのが良いでしょう。

なお、てんかんの正しい診断のためには、発作の症状がどのようなものか把握することが非常に重要です。事前にご本人の承諾を取った上で、発作の様子を動画撮影してお持ちいただくと、診療に大変役に立つことがあります。可能な場合にはご検討ください。

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