精神科専攻医コース

精神科専攻医コース

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プログラムの目的と特徴

精神科専門医となるための3年間のプログラムである。

(1)本プログラムの目的

  1. 公益社団法人日本精神神経学会(以下、精神神経学会と略)精神科専門医制度に準拠した研修を実施し、3年間の研修により精神科専門医の資格取得を可能にすること。
  2. 精神医学および精神科医療の進歩を取り入れ高い技能と広範な知識に基づいて、家族や関係者と協力しながら、患者を全人的に理解し、正確に病態を評価し、適切な診断と治療を行うことのできる精神科専門医を養成すること。
  3. 精神保健指定医の資格を取得するために、精神保健福祉法の知識と実際の運用を学ぶとともに、資格取得申請に必要な症例を経験すること。

 なお、専門研修プログラムの理念は、「精神科領域専門医制度は、精神医学および精神科医療の進歩に応じて、精神科医の態度・技能・知識を高め、すぐれた精神科専門医を育成し、生涯にわたる相互研鑽を図ることにより精神科医療、精神保健の向上と社会福祉に貢献し、もって国民の信頼にこたえることを理念とする。」である。

※具体的なプログラムに関しては、精神神経学会より公開される、当院が基幹施設となる「研修プログラム」を参照し、専攻医登録サイトから応募すること。
<参考:日本専門医機構 新専門医制度の研修プログラム応募手順>
https://jmsb.or.jp/senkoi#an02
 

(2)専門研修プログラムの特徴

 国立精神・神経医療研究センター病院精神科は一般精神123床(閉鎖病棟82床、開放病棟41床)及び心神喪失者等医療観察法68床の計191床を有し、隔離室、観察室も十分なスペースを確保している。精神科救急を含むすべての精神疾患の受け入れに対応しており、一部の身体合併症を伴う精神疾患の受け入れにも対応している。

 専攻医は入院患者の主治医となり、指導医からのマンツーマンでの指導を受けながら、的確な診断と精緻な治療の過程を学習・習得するとともに、精神疾患を抱える人の苦悩に真摯に向き合い、そのリカバリーを支援する精神科の基本を体得できる。

 各精神疾患に対して画像診断をはじめとする医療機器による検査や心理検査を行い、薬物療法、個人精神療法、集団精神療法、作業療法、電気けいれん療法などの治療を柔軟に組み合わせ最善の治療を行っていく。看護師、薬剤師、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士などとチーム医療を行う。研修の過程ですべての領域の精神疾患についての知識、治療技法を身につけることが可能である。指導医にはてんかん、睡眠障害、認知症、依存症、認知行動療法、司法精神医学など幅広い分野の専門医がおり、これらのサブスペシャリティーに関する高度な指導を受けながら貴重な症例を経験することができる。院内には脳波(長時間ビデオモニタリング、睡眠ポリソムノグラフィーを含む)・CT・MRI・核医学検査(SPECT、PET)・光トポグラフィー・脳磁図など高度医療機器が整備され、これらを用いて診断を行うとともに、読影について学習できる。またセンター内で実施されている臨床研究に接し、実際に指導のもと研究協力者として参加することもできる。

 また、多くの研修連携施設と協力し、専攻医の志向に応じてこれらの施設で医療技術を有する最前線の医療現場において生物学的、心理的、社会的、倫理的な幅広い精神科研修ができるプログラムとなっている(詳細は研修プログラムを参照)。

 当院精神科では、精神医学および精神科医療における個別専門領域について、以下に挙げるような研修環境を提供することができる。

  1. 精神科医療の基本を修得:
    統合失調症および気分障害をはじめとする精神病水準の重度障害に対する急性期の危機介入から社会復帰まで、医療と福祉の基本と実際を修得する。
  2. 高度な専門治療の修得:
    専門外来(てんかんセンター、気分障害、統合失調症、認知症・器質性精神障害、睡眠障害)、およびこれに連携する専門病棟・入院ユニット(てんかん、うつ・ストレス関連、統合失調症)で研修を行い、臨床経験を積むと共に、臨床研究に参加する。
  3. 精神科リハビリテーション/デイケアの経験:
    精神科デイケアで、SST(social skill training)、疾病教育、認知リハビリテーション、および就労支援などの臨床経験を積む。
  4. こころのリカバリー地域支援センターとの連携:
    精神科急性期医療、精神科リハビリテーション、および多職種アウトリーチチーム(Community Mental Health Team)を統括したこころのリカバリー地域支援センターと連携して、地域生活中心の精神科医療の経験を積む。
  5. 認知行動療法センターとの連携:
    認知行動療法の修得を希望する者は、研修プログラムに参加し、うつ病、不安障害等を対象とした認知行動療法を実践できるようにする。
  6. 医療観察法病棟での研修:
    医療観察法による入院及び通院場面において、他害行為の既往を持つ精神障害者の多職種チーム医療を経験する。また、希望者は刑事責任能力鑑定や医療観察法鑑定を助手として経験し、精神鑑定に関する基礎的技能を習得する。
  7. 認知症など脳器質性精神障害の神経病理学的診断の経験:
    認知症など脳器質性精神障害について、脳画像診断の基盤である脳の肉眼および組織病理学を含む病態を学ぶ。
  8. 放射線診療部・脳病態統合イメージングセンターとの連携:
    わが国で最高水準の脳画像診断を行っている放射線診療部および脳病態統合イメージングセンター(IBIC)において、CT・MRI・ SPECT・PETなどの画像診断を学ぶ。
  9. 臨床検査部との連携:
    神経病理部門は、生前同意システムに基づくブレインバンクを運営している。精神疾患の剖検例のCPCなどを通して、精神疾患の神経病理学的背景についても学ぶ。睡眠障害センターと連携し、睡眠障害の検査・診断・治療について最新の知識を学ぶ。NIRS、EEGおよびMEG検査所見判読を学ぶ。
  10. 脳神経内科・小児神経科・脳神経外科との連携:
    高度専門的医療を行っている当院脳神経内科・小児神経科・脳神経外科と連携し、てんかんや神経変性疾患(パーキンソン病)などに併存する精神障害のリエゾンコンサルテーションの経験を積む。
  11. 精神保健研究所・神経研究所との連携:
    精神保健研究所と神経研究所の研究会などに参加する。特に興味を持つ領域については、当該領域を研究している研究所スタッフの指導を受ける。
  12. 臨床研究の基礎的技法の修得:
    トランスレーショナル・メディカルセンターが企画する臨床研究の基礎講座に参加し、研修を受ける。センター内で実施されている臨床研究に、研究協力者として参加する。
  13. 認知リハビリテーションの経験:
    精神疾患における認知機能障害の治療として注目されている認知リハビリテーションに関して基本的知識と適応、手法を学ぶ。

  14. ニューロモデュレーション療法の経験:
    電気けいれん療法、反復経頭蓋磁気刺激療法、経頭蓋直流電気刺激法などのニューロモデュレーション療法に関して基本的知識と適応、手法を学ぶ。

研修内容と到達目標

(1)研修内容

必須項目

  1. 指導医の指導のもとで、精神障害を有する入院患者および外来患者の主治医として、多職種スタッフと連携し、患者家族・関係者と協力しながら、鑑別診断と治療を行い、社会復帰を支援する。
  2. 以下の症例を担当して、指定医の資格取得のためのケースレポートを作成する。
    a. 統合失調症の措置入院少なくとも1例、医療保護入院少なくとも2例
    b. 躁うつ病圏、中毒性精神障害、児童・思春期精神障害、症状性又は器質性  精神障害、老年期認知症の措置又は医療保護入院、各々少なくとも1例
  3. 精神障害に合併する神経学的異常や神経疾患に合併した精神障害など精神・神経の複合障害に対するコンサルテーション・リエゾンを指導医のもとで経験すること。
  4. 指定医の指導のもとに精神科副当直として当直診療業務を担当すること。
  5. 指導医とともに研修医の指導にあたること。

努力項目

  1. 措置鑑定の見学、ならびに簡易鑑定、本鑑定及び医療観察法による鑑定に鑑定助手として参加し、鑑定医の鑑定書作成に参加する。
  2. 指導医の指導のもとに成年後見制度の診断および鑑定を担当する。
  3. 睡眠障害の診断・検査・治療について症例を通じて学ぶ。
  4. 院内の研究会などに症例や研究を発表し、それをもとに院外の学会等で報告し、論文・症例報告として学会誌等に投稿する。
  5. 精神・神経疾患研究開発費あるいは厚生労働科学研究等の臨床研究に研究協力者として参加し、あわせて国内外の研究会議に参加する。
  6. 臨床試験(治験を含む)に分担医師、協力医師として参加し、臨床試験の実際と新薬等の新しい治療法の開発・承認に関わる知識と経験を広める。
  7. 認知行動療法研修プログラムを受講し、スーパーバイズを受け実際の患者を治療すること。
  8. 児童・思春期精神医学などの専門的研修を希望する場合は、当センターと連携する医療機関で一定の期間研修を受けることも可能である。
  9. 期間中、少なくとも1例の剖検またはブレイン・カッティングに立ち会う。

教育行事

  1. 初期クルズス:初期クルズスは研修開始の約2ヶ月間に、精神科医療に必要な基本的事項について、精神神経学会専門医制度研修ガイドライン(総論)に沿い、専門医制度指導医が講義を行う。
  2. 中期クルズスは、精神神経学会専門医制度研修ガイドライン(疾患別)に沿い、連続して行われる。
  3. ケースカンファレンス
  4. 脳波判読会(てんかん以外)
  5. レジデント抄読会
  6. 精神科セミナー、その他の医局研究会
  7. 臨床病理検討会(clinico-pathological conference, CPC)と病理解剖
  8. 認知行動療法研修会

(2)到達目標

1年目:基幹病院または連携病院で、指導医と一緒に統合失調症、気分障害、器質性精神障害の患者を受け持ち、面接の仕方、診断と治療計画、薬物療法および精神療法の基本を学ぶ。特に面接によって情報を抽出し診断に結びつけるとともに、良好な治療関係を構築し維持することを学び、リエゾン・コンサルテーション精神医学を経験する。入院患者を指導医とともに受け持つことによって、行動制限の手続きなど基本的な法律の知識を学習する。外来業務では指導医の診察に陪席することによって、面接の技法、患者との関係の構築の仕方、基本的な心理検査の評価などについて学習する。年次後半には到達度に応じて予診も行う。国立精神・神経医療研究センターのトランスレーショナル・メディカルセンターが企画する臨床研究の基礎講座に参加し研修を受けることで、文献検索・抄読の方法を学び、臨床研究の基礎について受講する。院内の研究会や学会で発表・討論する。

2年目:基幹病院または連携病院で、指導医の指導を受けつつ、自立して、面接の仕方を深め、診断と治療計画の能力を充実させ、薬物療法の技法を向上させ、精神療法として認知行動療法と力動的精神療法の基本的な考え方と技法を学ぶ。精神科救急に従事して対応の仕方を学ぶ。神経症性障害および種々の依存症患者の診断・治療を経験する。児童思春期の症例についても経験する。指導医の指導を受けつつてんかん患者の診断・治療を経験し脳波・画像に関する基本的知識を習得する。他科と協働してリエゾン・コンサルテーション精神医学を経験する。さらに学会発表のための基礎知識について学び、機会があれば学会発表の機会をもつ。指導医からマンツーマンで研究計画立案や論文作成の基礎知識について学ぶ。

3年目:指導医から自立して診療できるようにする。認知行動療法や力動的精神療法を上級医の指導の下に実践する。心理社会的療法、精神科リハビリテーション・地域精神医療等を学ぶ。児童・思春期精神障害およびパーソナリティ障害の診断・治療を経験する。精神医療に必要な法律の知識について学習する。医療観察法病棟における患者の診断・多職種治療について学ぶ。睡眠障害とその検査について学習する。脳波・CT・MRI・核医学検査(SPECT、PET)・光トポグラフィー・脳磁図など高度な検査機器の読影技術を深める。地域医療の現場に足を運び、多職種との関係を構築することについて学ぶ。将来のサブスペシャリティ―を見据え、精神腫瘍学、児童思春期、依存症、てんかん、睡眠、認知症、医療観察法病棟など幅広い選択肢の中から専攻医の志向を考慮して研修分野を選択する。外部の学会・研究会などで積極的に症例発表する。系統的な臨床研究の研究協力者として参加し、機会があれば臨床研究の立案段階から研究チームの一員として参加する。

(3)カリキュラムの評価方法(目標達成度)

レジデントが精神神経学会専門医制度研修ガイドラインに記載することにより、自己評価を行う。指導医は自己評価結果を随時点検し、レジデントの到達目標達成を援助する。

指導医リスト

中込 和幸の顔写真
中込 和幸
役職

理事長

経歴

東京大学
昭和59年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医

鬼頭 伸輔の顔写真
鬼頭 伸輔
役職

精神診療部長

経歴

岩手医科大学
平成11年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医

平林 直次の顔写真
平林 直次
役職

司法精神診療部長

経歴

東京医科大学
昭和61年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医

吉田 寿美子の顔写真
吉田 寿美子
役職

精神リハビリテーション部長

経歴

山形大学
昭和62年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医

坂田 増弘
役職

精神科医長

経歴

東京大学
平成5年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医

吉村 直記
役職

精神科医長

経歴

島根医科大学
平成9年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医

野田 隆政
役職

精神科医長

経歴

山梨医科大学
平成13年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本臨床薬理学会特別指導医

藤井 猛
役職

精神科医長

経歴

京都府立医科大学
平成10年卒

専門分野・資格

精神保健指定医

大町 佳永
役職

精神科医長

経歴

東京女子医科大学 
平成17年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本精神神経学会認知症診療医
日本認知症学会専門医・指導医

大森 まゆ
役職

精神科医長

経歴

長崎大学
平成9年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本司法精神医学会認定
精神鑑定医
日本医師会認定産業医

谷口 豪の顔写真
谷口 豪
役職

精神科医長

経歴

金沢大学
平成12年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本てんかん学会専門医・指導医
日本臨床神経生理学会専門医
(脳波分野)・指導医
日本総合病院精神医学会認定
一般病院連携専門医・指導医
日本老年精神医学会専門医

柏木 宏子の顔写真
柏木 宏子
役職

精神科医長

経歴

鹿児島大学
平成16年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本司法精神医学会学会認定
精神鑑定医
包括的暴力防止プログラム指導者

ほか医員5名