精神科ステップアップコース

精神科ステップアップコース

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プログラムの目的と特徴

 精神科専門医や精神保健指定医を取得もしくは取得見込み、あるいは相当の知識と経験を有する精神科医を対象としたステップアップのためのプログラムである。以下にあげるような知識の習得および経験を積むことができる。研修期間は原則2年であるが状況に応じて1年延長することもできる。

本プログラムでは、病棟・外来を中心とした臨床に加えて、精神医学および精神科医療における個別専門領域について、以下に挙げるような研修環境を提供できる。

  1. 高度な専門領域の知識・経験の修得:
    専門外来(統合失調症、気分障害、認知症・器質性精神障害、てんかんセンター、睡眠障害)、およびこれに連携する専門病棟・入院ユニット(うつ・ストレス関連、統合失調症)で研修を行い、臨床経験を積むとともに臨床研究に参加する。

  2. 精神科リハビリテーション/デイケアの経験:
    精神科デイケアで、SST(social skill training)、疾病教育、認知リハビリテーション、および就労支援などの臨床経験を積む。

  3. こころのリカバリー地域支援センターとの連携:
    精神科急性期医療、精神科リハビリテーション、および多職種アウトリーチチーム(Community Mental Health Team)を統括したこころのリカバリー地域支援センターと連携して、地域生活中心の精神科医療の経験を積む。

  4. 認知行動療法の修得:
    認知行動療法の修得を希望する者は、研修プログラムに参加し、うつ病、不安障害等についての認知行動療法を実施できるようにすること。

  5. 認知症など脳器質性精神障害の神経病理学的診断の経験:
    認知症など脳器質性精神障害について、脳画像診断の基盤である脳の肉眼および組織病理学を含む病態を学ぶ。

  6. 放射線診療部・脳病態統合イメージングセンターとの連携:
    わが国で最高水準の脳画像診断を行っている放射線診療部および脳病態統合イメージングセンター(IBIC)において、CT・MRI・SPECT・PETなどの画像診断を学ぶ。

  7. 臨床検査部との連携:
    神経病理部門は、生前同意システムに基づくブレインバンクを運営している。精神疾患の培検例のCPCなどをとおして、精神疾患の神経病理学的背景についても学ぶ。
    睡眠障害センターと連携し、睡眠障害の検査・診断・治療についての最新の知識を学ぶ。NIRS、EEGおよびMEG検査所見判読を学ぶ。

  8. 脳神経内科・小児神経科・脳神経外科との連携:
    高度専門的医療を行っている当院脳神経内科・小児神経科・脳神経外科と連携し、てんかんや神経変性疾患(パーキンソン病)などに併存する精神障害のコンサルテーションの経験を積む。

  9. 精神保健研究所・神経研究所との連携:
    精神保健研究所と神経研究所の研究会などに参加する。特に興味を持つ領域については、当該領域を研究している研究所スタッフの指導を受ける。

  10. 臨床研究の基礎的技法の習得:
    トランスレーショナル・メディカルセンターが企画する臨床研究の研修に参加する。また、NCNP内で実施されている臨床研究に研究協力者として参加する。

  11. 認知リハビリテーションの習得:
    精神疾患における認知機能障害の治療として注目される認知リハビリテーションに関して基本的知識と適応、手法を学ぶ。

  12. ニューロモデュレーションの習得:
    電気けいれん療法、反復経頭蓋磁気刺激療法、経頭蓋直流電気刺激療法などのニューロモデュレーションに関して基本的知識と適応、手法を学ぶ。

研修内容と到達目標

本コースでは、これまでに学んだ知識と経験の精度を高めるとともに、サブスペシャリティーを習得するなど、臨床力を上げるための研鑽を重ね、さらには臨床研究を通して論理的な考察を身につける。研修終了時にはサブスペシャリティーの基礎を習得し、臨床研究を自ら計画できることを到達目標とする。
 本コース在籍中に大学院に進学し学位取得することも可能である。なお、本コース終了後に病院の常勤医師として、または研究所で勤務することについてステップアップコース中の評価に応じて推薦する。

  1. 上級医による指導のもと、入院および外来患者の主治医として、多職種スタッフと連携し、患者家族・関係者と協力しながら、鑑別診断と治療を行い、社会復帰を支援する。
  2. 精神障害に合併する神経学的異常や神経疾患に合併した精神障害など精神・神経の複合障害に対するコンサルテーション・リエゾンを経験する。
  3. 精神科当直として当直診療業務を担当する。
  4. 上級医とともに研修医の指導にあたる。
  5. 措置鑑定の見学、ならびに簡易鑑定、本鑑定及び医療観察法による鑑定に鑑定助手として参加し、鑑定書作成に参加する。
  6. 上級医の指導のもとに成年後見制度の診断および鑑定を担当する。
  7. 睡眠障害の診断・検査・治療について症例を通じて学ぶ。
  8. 院内の研究会などに症例や研究を発表し、それをもとに院外の学会等で報告し、論文・症例報告として学会誌等に投稿する。
  9. 精神・神経疾患研究開発費あるいは厚生労働科学研究等の臨床研究に研究協力者として参加し、あわせて国内外の研究会議に参加する。
  10. 臨床試験(治験を含む)に分担医師、協力医師として参加し、臨床試験の実際と新薬等の新しい治療法の開発・承認に関わる知識と経験を広める。
  11. 認知行動療法研修プログラムを受講し、スーパーバイズを受け実際の患者を治療する。
  12. 児童・思春期精神医学などの専門的研修を希望する場合は、当センターと連携する医療機関で一定の期間研修を受けることも可能である。
  13. 期間中、少なくとも1例の剖検またはブレイン・カッティングに立ち会う。
    *精神科指導医、精神保健指定医未取得の場合は相談の上、適宜修正する。

教育行事

  1. 初期クルズス(出席は任意):初期クルズスは研修開始期の約2ヶ月間に、精神科医療に必要な基本的事項について、日本精神神経学会専門医制度研修ガイドライン(総論)に沿い、専門医制度指導医が講義を行う。
  2. 中期クルズス(出席は任意):日本精神神経学会専門医制度研修ガイドライン(疾患別)に沿い、連続して行われる。
  3. ケースカンファレンス
  4. 脳波判読会(てんかん以外)
  5. レジデント抄読会
  6. 精神科セミナー、その他の医局研究会
  7. 臨床病理検討会(clinico-pathological conference, CPC)と病理解剖
  8. 認知行動療法研修会

カリキュラムの評価方法

レジデントが日本精神神経学会専門医制度研修ガイドラインに準じて自己評価を行い、定期的にプログラムの目標到達度を確認する。

指導医リスト

中込 和幸の顔写真
中込 和幸
役職

理事長

経歴

東京大学
昭和59年卒

専門分野・資格

精神保健指定医 
日本精神神経学会専門医・指導医

鬼頭 伸輔の顔写真
鬼頭 伸輔
役職

第一精神診療部長

経歴

岩手医科大学 
平成11年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医

平林 直次の顔写真
平林 直次
役職

第二精神診療部長

経歴

東京医科大学 
昭和61年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医

吉田 寿美子の顔写真
吉田 寿美子
役職

精神リハビリテーション部長

経歴

山形大学
昭和62年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医

坂田 増弘
役職

精神科医長

経歴

東京大学 
平成5年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医

吉村 直記
役職

精神科医長

経歴

島根医科大学 
平成9年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医

野田 隆政
役職

精神科医長

経歴

山梨医科大学
平成13年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本臨床薬理学会特別指導医

藤井 猛
役職

精神科医長

経歴

京都府立医科大学 
平成10年卒

専門分野・資格

精神保健指定医

大町 佳永
役職

精神科医長

経歴

東京女子医科大学 
平成17年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本精神神経学会認知症診療医
日本認知症学会専門医・指導医

大森 まゆ
役職

精神科医長

経歴

長崎大学
平成9年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本司法精神医学会認定
精神鑑定医
日本医師会認定産業医

谷口 豪の顔写真
谷口 豪
役職

精神科医長

経歴

金沢大学
平成12年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本てんかん学会専門医・指導医
日本臨床神経生理学会専門医
(脳波分野)・指導医
日本総合病院精神医学会認定
一般病院連携専門医・指導医
日本老年精神医学会専門医

柏木 宏子
役職

精神科医長

経歴

鹿児島大学
平成16年卒

専門分野・資格

精神保健指定医
精神保健判定医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本司法精神医学会学会認定
精神鑑定医
包括的暴力防止プログラム指導者

ほか医員5名