発表テーマ
EGUIDEプロジェクトによる統合失調症のreal-world study ~2023年度の報告~
発表概要
診療ガイドラインは、エビデンスに基づいて作成され、患者と医療者の意思決定に用いられます。しかし、臨床現場において必ずしも採用されておらず、ガイドラインと実臨床の隔たりの存在が指摘されています。この問題を解決すべく、「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)」が2016年に開始されました。同プロジェクトは統合失調症とうつ病のガイドライン講習会を開催し、ガイドラインの普及と教育を行っています。本発表では、2016年度から2023年度の処方調査で得られた統合失調症の治療データを用いて、ガイドライン講習会参加後のガイドライン推奨治療実施率の変化を解析しました。
結果、いくつかのガイドライン推奨治療の実施率が年々徐々に増加していました。1年ごとの変化は小さいものの、継続して活動を続けることでガイドラインの推奨治療が徐々に広まっていくことが明らかとなりました。今後も、精神科医療の発展においてEGUIDEプロジェクトの活動が大きく貢献することが期待されています。
