精神疾患病態研究部 松本 純弥室長がBPCNPNPPP4学会合同年会にて 優秀演題発表賞を受賞しました!

精神疾患病態研究部 松本 純弥室長がBPCNPNPPP4学会合同年会にて   優秀演題発表賞を受賞しました!
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2022.12.15
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所

 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:中込和幸)精神保健研究所(所長:金吉晴)精神疾患病態研究部(部長:橋本亮太)松本純弥室長がBPCNPNPPP4学会合同年会にて 優秀演題発表賞を受賞しました!

受賞演題
統合失調症・双極性障害・うつ病・自閉スペクトラム症の多施設大規模データによる疾患横断的な大脳皮質構造の類似度の解析

研究概要
 統合失調症(SZ)、双極性障害(BD)、うつ病(MD)、自閉スペクトラム症(ASD)といった主要な精神疾患における大脳皮質の神経解剖学的な異常は、疾患別の脳構造画像研究の報告があるが、統一した手法で疾患横断的に解析された研究はない。我々は日本の多施設共同研究によりSZ、BD、MD、ASDの大脳皮質構造のメガ解析を実施し、各疾患の類似度を検討した。認知ゲノム共同研究機構(COCORO)から、SZ群1450名、BD群235名、MD群570名、ASD群195名、健常群2933名が参加した。T1強調磁気共鳴画像を得てFreeSurferにより大脳皮質厚と大脳皮質面積を算出した。撮像プロトコル別に各領域の平均値の群間差の効果量Hedge’s dを年齢及び性別を共変量として算出してメタ解析した。SZ群では健常群と比較して大脳皮質厚が全般的な菲薄化を認め、同様に大脳皮質面積も全般的に減少していた。BD群では大脳皮質厚については健常群と比較して68領域中34領域で有意に菲薄化していたが、大脳皮質面積については健常群と比較して有意な減少は見られなかった。MD群では大脳皮質の菲薄化が68領域中30領域で認められ、大脳皮質面積減少は11領域で認められた。ASD群では大脳皮質厚も大脳皮質面積も有意差がなかった。これらの疾患の大脳皮質厚菲薄化パターンと大脳皮質面積減少パターンをコサイン類似度で分類した。大脳皮質厚の菲薄化パターンはSZ群、MD群、BD群で類似していた。大脳皮質面積減少パターンはSZ群、MD群、ASD群で類似していた。皮質厚、皮質面積の類似度が精神疾患の病態を示すバイオタイプになる可能性が示された。

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