◆精神保健研究所
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所長からのご挨拶

 精神保健研究所のHPにようこそ。精神保健研究所の前身は、昭和25年に制定された精神衛生法に基づいて昭和27年に発足した精神衛生研究所です。それまでの大学病院などを中心とした、重度の精神疾患の治療、研究とは対照的に、コミュニティの中の精神健康と疾病の予防を扱うという、新しい発想によって作られた研究所です。この研究所を母胎として精神疾患のデイケアの研修、実践が行われ、現在の精神医療で行われているデイケアにつながりました。昭和61年には、国立武蔵療養所、同神経センターと統合して、国立精神・神経センターが発足し、精神衛生研究所は国立精神・神経センター精神保健研究所と改称されました。こうして当研究所は、国立高度専門医療センターの一研究部門として、精神疾患や心理社会的困難を抱えた人々の生活に即した研究及び研修を行うことにより、国の医療政策として、精神の疾病や苦しみを抱えた人々の生活を支援し、社会で生活をしながらの治療、人権の擁護をめざし、ひいては社会全体の精神健康の増進をはかることを目的とする施設となりました。経緯の詳細は、創立の趣旨と沿革をご参照いただきたい。

 現在、当研究所は、2センター(自殺総合対策推進センター、ストレス・災害時こころの情報支援センター)、9研究部からなり、そのほか摂食障害全国基幹センターとして情報発信を行っています。 研究部は時代のニーズに合わせて柔軟に変遷を遂げていますが、研究所自体のミッションである「生活に即した治療と支援」「精神保健の向上を図る」という点は、時代を経ても変わりなく追求しています。そのための業務内容として、1つは社会心理支援、精神保健行政の立場から、精神保健の向上に資する調査、研究を行い、その成果を政策に反映させることがあります。どのような優れた調査や研究であったとしても、その成果が社会に還元されなければ意味をなしません。今ひとつは、個々の疾患に対して病態を解明し、他の施設では取り組むことが難しい支援プログラムや治療法を開発することです。医学の研究は大きく進歩しており、いままで誰も考えなかった画期的な研究成果によって人々の苦しみの原因を何とか解明しようと懸命に取り組んでおります。また医学的治療というとお薬のことが思い浮かぶ方も多いでしょうが、精神疾患に対しては、認知行動療法のような心理療法や、生活の中での社会的支援の方が、病気の症状を大きく改善することが珍しくありません。私たちは先入見なしに、こうした様々な取り組みの効果を検証し、最適な組み合わせや治療プログラムを開発しようとしています。そしてまた、こうした役割を国際社会においても果たせるように、国際化にも取り組んでおります。

 研究所のステークホルダーは精神疾患やストレスの多い社会への適応のために悩んでいる当事者の方々であるとともに、それを支えるために努力をされている人々、そして何よりも、社会の精神健康を願う国民の皆様です。私たちはこうした幅広い期待に応えるべく、皆様からのご意見、ご指導をいただきながら、研究部の総力を挙げ、また国内外の様々な人々とも協力して一丸となって研究に取り組む所存です。

平成31年1月
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所 所長
金 吉晴