シリーズ:ストレスとうまく付き合うために①-1 ~セルフモニタリングについて~

シリーズ:ストレスとうまく付き合うために①-1 ~セルフモニタリングについて~

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シリーズ:ストレスとうまく付き合うために

日常生活には、仕事や家庭、対人関係の悩みなど、さまざまなストレスがあふれており、私たちはこうしたストレスを抱えながら日々生きています。
全くストレスがない生活を送れたらとても良いかもしれませんが、日々の生活ではいろいろなことを経験しますから、それは難しいかもしれません。
今回の臨床心理部コラムでは、日々心身にふりかかるたくさんのストレスからご自分のこころとからだを守り、よりしなやかに、自分らしい毎日を送れるように、ストレスとうまく付き合うためのいくつかのヒントをお伝えできればと思います。

~セルフモニタリングについて~

■自分のストレスに上手に気づく

日々ふりかかるストレスに上手に対処していくために、一番はじめにできることは何でしょうか?
どんなに素晴らしいストレスへの対処方法を持っていても、そもそも自分が疲れていることに気づかなければ、その対処方法を使おうとは思わないでしょう。
また、一口に“疲れている”と言っても、その程度は様々です。自分がどれくらい疲れているのかによって、どんな対処方法を選択するかも変わってくるはずです。
たとえば身体の不調に対処する時にも、まずは熱を測っていつもより体温が高いことに気づきます。それから、「平熱より少し体温が高いから早めに寝よう」とか「すごく高熱だから会社は休もう」というように、今の自分の状態に合わせた具体的な行動を考えていくかと思います。
ストレスへの対処もこれと同じで、まずは、今の自分はどれくらい疲れているのか?どれくらいストレスがかかっているのか?ということにご自身で気づくということが大切です。

自分の疲れやストレスに気づくためには、自分のこころやからだの状態をじっくりと観察することが必要です。
このように自分で自分の状態を観察する作業は、“セルフモニタリング”と呼ばれています。
自分で自分の状態を観察するというと一見簡単に思えますが、実は意外と難しいものです。自分では十分できている!と思っていても、忙しい毎日の中ではご自分のちょっとした気分や体調の変化に気づくことができず、いつの間にか疲れがたまって体調を崩してしまった…なんてことも、一度は経験があるのではないでしょうか。
ご自身のちょっとした気分や体調の変化にしっかりと気づき、それに対処していくためにも、セルフモニタリングはとても重要であると言えます。
そして、このセルフモニタリングの力は練習を重ねることで身に着けたり、スキルアップしていくことができると考えられています。

■おわりに

今回は、ご自身のストレスや体調の変化に上手に気づき、それに対処していくための第一歩として、セルフモニタリングについてのお話をしました。
このセルフモニタリングの力をはぐくむ具体的な方法については、「シリーズ:ストレスとうまく付き合うために①-2 ~こころの温度計~」にてご紹介しております。

また、臨床心理部では、今回ご紹介したようなセルフモニタリングのスキルも取り入れながら、ご自分のストレスとうまく付き合っていくためにはどうしたらよいのかをより実践的に考えていく集団心理療法「こころの健康プログラム」や、オンラインカウンセリング「ストレスとうまく付き合うためのプログラム」も実施しております。
記事を読んでもっと詳しく知りたいと興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、ぜひ参加をご検討いただければと思います。