シリーズ:ストレスとうまく付き合うために①-2 ~こころの温度計~

シリーズ:ストレスとうまく付き合うために①-2 ~こころの温度計~

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~こころの温度計~

■こころの温度計

前回は、ご自身のちょっとした気分や体調の変化にしっかりと気づき、それに対処していくために、セルフモニタリングが重要であることをお話しました。

では、どうしたらセルフモニタリングの力をはぐくむことが出来るでしょうか?
その方法の一つとして、今回は「こころの温度計」をご紹介します。

このように、自分のこころやからだを“温度計”にたとえ、
“最も調子がいいときを100℃ ↔ 最も調子が悪い時を0℃” としたら、いったい今は何度ぐらいになるだろう? ということを考えていきます。
こころの温度を決めることができたら、その温度になっている理由も考えてみましょう。
こうすることで、自分の中でのちょっとした気分や体調の変化に加え、そのパターンまで、細かくチェックすることができます。
「自分ではいつも通りって思ってたけど、こうして数値にしてみると実はいつもより温度が低いな」、「色々と予定を詰め込んだ後は、温度が低くなる傾向があるな」なんて気づきがあったりするかもしれません。
そんなときはまさにストレス対処をするタイミングですので、ご自分にあった方法で自分をいたわりリラックスする時間を持てるとよいでしょう。

■継続と振り返り

今回ご紹介した「こころの温度計」は日常生活のどの場面でも使うことができるので、ふとしたタイミングでこまめにご自身の体調をセルフチェックしてもらえたらと思います。
はじめは温度を決めるのがなんだか難しく感じる方も、毎日くり返し行うことで段々と感覚をつかみ、慣れていかれると思います。
正確にきっちりやることよりも、続けてみることが肝要です。まずは一日一回でも、こころの温度をはかることを続けてみてください。
また、こうして継続的にはかった日々のこころの温度は、手帳などに書き留めておいて後から振り返ることが大切です。
そうすることで、ご自身の平均的なこころの温度や、温度の上がり下がりのパターン-つまり体調の起伏のパターンが見えてくると思います。
ご自身の気分や体調が変化するパターンに気づくことができれば、調子を崩してしまう前に先回りして休息をとることも行いやすくなっていきます。

■おわりに

今回は、セルフモニタリングの力をはぐくむための具体的な方法として、こころの温度計についてのお話をしました。ご自分の気分や体調の変化を見逃さず、スムーズに対処できるようになるために、ぜひ毎日の生活の中でご活用いただければと思います。

次回の「シリーズ:ストレスとうまく付き合うために」では、いざご自身のストレスに気づいた際にとる対処方法についてお話していきます。

また、臨床心理部では、今回ご紹介したようなセルフモニタリングのスキルも取り入れながら、ご自分のストレスとうまく付き合っていくためにはどうしたらよいのかをより実践的に考えていく集団心理療法「こころの健康プログラム」や、オンラインカウンセリング「ストレスとうまく付き合うためのプログラム」も実施しております。

記事を読んで一人でやろうとしてみたけどうまくいかなかったという方、もっと詳しく知りたいと興味を持ってくださった方など、ぜひ参加をご検討いただければと思います。