シリーズ:ストレスとうまく付き合うために②-2 ~ストレス対処法を増やす~

シリーズ:ストレスとうまく付き合うために②-2 ~ストレス対処法を増やす~

  1. TOP
  2. 患者の皆様へ
  3. 臨床心理部ブログ
  4. シリーズ:ストレスとうまく付き合うために②-2 ~ストレス対処法を増やす~

~ストレス対処法を増やす~

■ご自分に合った対処法を増やす

前回は、ストレスに気づいたときすぐに対処ができるよう、あらかじめストレス対処法を考えておくことについてお話をしました。また、そのための第一歩として、ご自身のこれまでのストレス対処法を振り返っておくことの重要性もお伝えしました。
ご自身がこれまで取ってきた対処法というのは、ご自分に馴染んでいて使いやすい方法かと思いますので、是非これからも積極的に活用していただけるとよいでしょう。

しかし、これまで使ってきたストレス対処法が使えないような場面になったらどうしたらよいでしょうか?
たとえば、「これまではストレスが溜まったら旅行に行ってリフレッシュしてきた」という方は、コロナ禍で外出が制限されたことで、これまで馴染んできた対処法が使えなくなっているかもしれません。
また、「ストレスが溜まったらいつも友達に話を聞いてもらうようにしている」という方は、ご自身が話を聞いてほしいとき、ご友人が忙しくなかなか都合をつけられない状態だったら困ってしまうかもしれません。
このように、時にはいつも使っている対処法が使えないような状況に陥ってしまうこともあります。そんな時でも、困り果てて何も対処ができなくなってしまうことのないように、ご自分にあった対処法を増やしていくことが重要です。

■レパートリーは幅広く

新しいストレス対処法を増やしていくときに大切なのは、“さまざまな種類の対処法をバランスよく持っておく”ということです。
たとえば、「誰かと行うものだけでなく、一人でできるものも持っておく」、「お金がかかるものだけでなく、お金をかけずにできるものも持っておく」というように、対処法のレパートリーは幅広く持つことを意識してみてください。
以下にいくつかレパートリーの例を挙げますので、ご自分の対処法がどこか一部に偏っていないかをチェックしてみていただけたらと思います。

いかがでしょうか?
ここに挙げたのは一例ですが、「効果の大きい対処法ばかりとっていて、日々の小さな対処法が少なかったな」とか、「人がいないとできない対処法ばかりで、一人でできる対処法が少なかったな」といったように、ご自身の特徴が少し見えてきたかもしれません。
ご自分にとってここは少ないと思われるところがあれば、是非そこの対処法を増やしていけるように、例も参考にしながら考えてみてください。

ご自分に合った対処法のレパートリーを増やしておくことができると、いざストレスを感じた時にも「まずはこれを使ってみよう!」とすぐに対処ができますし、
もしその方法がうまくいかなかったとしても、「それでダメならこっちを試してみよう!」と、いろいろな方法を試しながらストレスに対処することができるようになっていきます。

■おわりに

今回は、これまで使ってきた対処法が使えないような状況でも困ることのないように、ストレス対処法のレパートリーを増やしておくことについてお話ししました。是非いろいろな方法を試しながら、ご自分に合ったストレス対処法を増やしていただければと思います。
次回の「シリーズ:ストレスとうまく付き合うために」では、ストレス対処法を実際に試してみるときのポイントや、心がけるとよいことなどについてお話ししていきます。

また、臨床心理部では、今回ご紹介したようなストレス対処法についても扱いながら、ご自分のストレスとうまく付き合っていくためにはどうしたらよいのかをより実践的に考えていく集団心理療法「こころの健康プログラム」や、オンラインカウンセリング「ストレスとうまく付き合うためのプログラム」も実施しております。
記事を読んで一人でやろうとしてみたけどうまくいかなかったという方、もっと詳しく知りたいと興味を持ってくださった方など、ぜひ参加をご検討いただければと思います。