シリーズ:ストレスとうまく付き合うために②-1 ~ストレスへの対処~

シリーズ:ストレスとうまく付き合うために②-1 ~ストレスへの対処~

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シリーズ:ストレスとうまく付き合うために

日常生活には、仕事や家庭、対人関係の悩みなど、さまざまなストレスがあふれており、私たちはこうしたストレスを抱えながら日々生きています。
全くストレスがない生活を送れたらとても良いかもしれませんが、日々の生活ではいろいろなことを経験しますから、それは難しいかもしれません。
今回の臨床心理部コラムでは、日々心身にふりかかるたくさんのストレスからご自分のこころとからだを守り、よりしなやかに、自分らしい毎日を送れるように、ストレスとうまく付き合うためのいくつかのヒントをお伝えできればと思います。

~ストレスへの対処~

■あらかじめストレス対処法を考えておく

前回の「ストレスとうまく付き合うために①」では、ご自身のストレスに対処していくための第一歩として、まずはストレスに気づくこと-セルフモニタリングが重要である、というお話をしました。
今回は、ご自身のストレスに気づいた後、実際どのようにして対処していくのか?についてお話ししていきたいと思います。

セルフモニタリングの力がつき、ご自身のストレスに上手に気づけるようになったとしても、その時に使えるストレス対処法がなければ、せっかく気づいたストレスにすぐ対処することは難しいかもしれません。
自分がつらい状況にあるときに、このストレスを軽減するためにはどうしたらいいだろう?自分にはどんなストレス対処法が合うかな?と一から考えていくことは大変です。ただでさえ疲れがたまっている状態ですから、考えること自体とても大変なことに感じられてしまうでしょう。
そのため、ご自身が元気で気持ちに余裕のあるときに、“いざという時に使うストレス対処法”をあらかじめ考えておく、ということが大切になります。

■これまでのストレス対処法を振り返る

“いざという時に使うストレス対処法”をあらかじめ考えておくために、まずはご自身がこれまで使ってきたストレス対処の方法を振り返ってみましょう。
あなたはこれまでご自分にストレスがかかったとき、どのように対処してきましたか?
疲れがたまったときや、つらい気持ちになったとき、自分は何をしていただろう?どんなふうに過ごしてその状況を乗り越えてきたかな?と考えていただくと振り返りやすいかもしれません。
思い返してみると、これまでの生活の中でもさまざまな対処をとっていたことに気づかれるかと思います。「誰かに話を聞いてもらう」、「好きな音楽を聴く」、「一人でゆっくり過ごす」など、たとえそれが意識的に対処しよう!と考えてとった行動でなくても、それらはストレス対処法と呼ぶことができます。
中には、“自分はストレス対処なんてできてない。いつもじっと我慢するばっかりだ…”と思われる方もいるかもしれません。ですが、「じっと我慢する」とか「何もしないで休む」といった行動も、一つの立派なストレス対処法です。
人によって取りやすい方法、これまで効果を感じてきた方法というのはさまざまですので、まずはご自身のこれまでのストレス対処法を振り返り、確認しておきましょう。

■おわりに

今回は、ストレスに気づいたときすぐに対処ができるよう、あらかじめストレス対処法を考えておくことについてお話をしました。また、そのための第一歩として、ご自身のこれまでのストレス対処法を振り返っておくことの重要性もお伝えしました。
いざという時に使えるストレス対処法をさらに増やしていくための考え方については、「シリーズ:ストレスとうまく付き合うために②-2 ~ストレス対処法を増やす~」でお話ししていきます。
また、臨床心理部では、今回ご紹介したようなストレス対処法についても扱いながら、ご自分のストレスとうまく付き合っていくためにはどうしたらよいのかをより実践的に考えていく集団心理療法「こころの健康プログラム」や、オンラインカウンセリング「ストレスとうまく付き合うためのプログラム」も実施しております。
記事を読んでもっと詳しく知りたいと興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、ぜひ参加をご検討いただければと思います。